いずれにせよ、現時点でハワード・マークス氏のスタンスは1段階弱気側にシフトし「心配」となった。
では、このシフトをどう具体的な投資姿勢に結び付けるべきなのか。
同氏は、投資における6段階の防衛体制を説明している。
6. 買いを停止
5. 攻撃的な保有を減らし、ディフェンシブな保有を増やす
4. 攻撃的な保有を売り切る
3. ディフェンシブな保有も減らす
2. すべての保有を解消
1. 空売り
マークス氏は、市場が理屈通り動かないことを知っており、今回もジョン・メイナード・ケインズの「市場はあなたを破産させるほど長い間不合理であり続けることがある」を引いている。
だから、どのような場合でも3から1は合理的にはなりえないとし、現実的な対応を5だと書いている。
「しかし、現在を防衛体制5と考えることには何の問題もない。
歴史的に見て高く見えるものを減らし、より安全に見えるものにスイッチするなら、市場がしばらくじりじりと上昇することで失うものも比較的少なくてすむだろう。
あるいは、とにかく眠れなくなるほど心配することにはならないだろう。」
マークス氏は最後に我田引水することも忘れない。
自身の主戦場であるクレジット市場について
- 概して株式より安全
- スプレッドは小さいが絶対リターンは高い
- リターンが(相場変動でなく)契約上の約束によって与えられる
の3点を挙げ、暗に投資を促している。