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ハワード・マークス 米国株市場は「高い」から「心配」のステージに:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、年初との比較で1段階米市場へのスタンスを弱気側にシフトし、それにどう対応すべきか説明している。


過大評価されているかは証明することができず、先述の議論した条件が近いうちの調整を示唆すると考える理由はない。
しかし、両方から、株式市場は『高い』から『心配』の状態に移ったと思われる。

マークス氏が13日付のMemoで、米市場に対するスタンスを1段階弱気側にシフトさせている。

これは、年初に検証した米市場への評価についてのアップデート。
年初は、米株価が歴史的に見て高水準にあると認めた上で、バブルにつきものの「一時の熱中や『根拠なき熱狂』」が見られなかったとしていた。
それから半年以上が経ち、何が変化したかをマークス氏は丁寧に列挙し検討している。
高率の関税が実施されるという、明らかな悪材料がありながらも、株価が上昇を続けていることが、今回の1段階のシフトに繋がったと説明されている。
同氏によれば、問題はマグニフィセント7ではないという。
Mag7のPER 33倍はファンダメンタルズから見て「不合理ではない」とし、むしろ心配なのはそれ以外のS&P 500 493銘柄の22倍の方だと指摘している。
抜群の銘柄を抜いたベースでのPER 20倍台が高く見えているのだ。

ただし、冒頭の結論から明らかなとおり、マークス氏のスタンスはまだ「心配」にすぎない。
市場の格言に《株価は心配の壁を登る》というのがあるとおり、「心配」とは何か画一的な結論を示す表現ではないだろう。
実際、マークス氏も、お気に入りのジョン・テンプルトンの言葉「今回は違う」を引きつつこう述べている。

一方で『今回は違う』は強気相場でいつも検証されるべき決まり文句だ。
しかしその一方で、実際に違うのか察知できないことが平均的投資家と優れた投資家の境になる。
どちらの心配が現在正しいのか私にはわからない。

今回が、テンプルトンも認めた20%の例外である可能性も否定していないわけだ。

(次ページ: このスタンスのシフトにともないどう行動すべきか)


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