ジェレミー・シーゲル教授が、いつものように強気予想を語り、現状は全くバブルではないと話している。
みんな(政府閉鎖により)データが見えないことを気にしているが、それは大問題ではない。
大問題は、とても率直に言って、経済が予想以上に強いことだ。
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、米市場を読む上で最も難しい点を指摘した。
シーゲル教授によれば、経済が強すぎることで、市場の先行きが見通しにくくなっているという。
その上で、教授は従前からの予想を繰り返している:
- 12月FOMCでの利上げは今後の経済データ次第。自分は利下げすべきとの意見。
- 仮に長期金利が上昇しても、それが強い経済によるものなら株式市場にとってマイナスではない。
- 本当の試練は関税が悪影響を及ぼすことで、今後も注視すべき。
- 市場環境は良好: 通商交渉が進展し、インフレは加速せず、経済データ堅調、企業利益の見通し良好、熱狂もない。
- 経済悪化なら利下げによるクッションが見込める。
いつものとおりのブルな見通しだ。
実際、米市場では心配の声が多く聞かれるものの、それでも上昇を予想する声の方が強いように感じられる。
むしろ人々の興味は、まだ強気相場かではなく、すでにバブルか、あるいは今後バブルに発展するかにあるような雰囲気になっている。
この点について、シーゲル教授はいつものように市場を2つに分けて解説している:
- マグニフィセント7等のテック株: AIが前例のない変化をもたらしつつあるためにバリュエーションが高い。
- それ以外: バリュエーションはそう高くなく合理的。
シーゲル教授の結論はこうだ:
これは決してバブルではない。
1999年のようなバブルになりうるかと言えば、もちろん何でもバブルになりうる。
今がそうかと言えば、全くそうではない。
割高かと言えば、おそらくそうだ。
リスクを取り過ぎているかと言えば、Yesだが、未来があるからみんなそれを期待している。
市場の集中を心配する声が大きいことについても、シーゲル教授は、大昔はAT&TがS&P 500の時価総額の35%を占めていたと話している。
シーゲル教授は債券市場の弱気(長期金利がわずかに上昇したこと)と株式市場の強気について、現状なみの長期金利ならば「容易に共存できる」と述べている。
自らがチーフエコノミストを務めるウィズダムツリーではかなり強気のトーンで話す教授だが、大学のポッドキャストKnowledge at Whartonでは、もう少し穏やかで定量的な言及もしている。
今後2か月でまだ上昇がありうる。
S&P 500が7,000をつけても驚かない。
でも、(長期)債券金利が4.25-4.50%に上昇しつつあると見ており、株式のリターンへの逆風が少し強くなる。
ウィズダムツリーのポッドキャストでは、再び金やビットコインについても言及している。
金については(ビットコインとは異なり)ベータがゼロまたは小さなマイナスであることから相応の意味を感じているようだが、生産的な投資対象である株式に比べて長期で実質リターンが低くなることから積極的ではないようだ。
「私自身は多くは保有していない。
他の人が(ポートフォリオの)10%持ちたいといっても否定はしない。
本当に先行きに対し神経質になるのなら、最大で金10%、ビットコイン10%だろう。」
