アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、今後巧妙化するであろう投資詐欺に対する防御法をいくつか書いている。
「私ができる最善のこととは・・・AIによる模倣者が私のフェイクをつくる上でどこが正しく、どこが外れで、どこで間違えたかを明らかにすることであると私は考えた。」
ダモダラン教授が自身のブログで、自身のフェイクに対する教授らしい対処法を実践している。
AIを用いたダモダラン教授のフェイクがInstagram上でフェイク・コンテンツをまき散らしているのだという。
特定銘柄への誘導や金集めを目的としている可能性があり、教授は注意を促している。
ただし、ダモダラン教授の日頃の発言を知る人なら、すぐフェイクとわかる内容だったらしい。
教授は、読者がフェイクにアクセスしないよう奨めており、FPでもそれに従いアクセスを控えている。
どれぐらいウソっぽかったのかはわからないが、きっと毒舌の冴えが不十分だったのではないか。
ダモダラン教授は、詐欺師を非難・告発するより、大学教員らしくフェイクに成績を付ける方を選んでいる。
教授が付けた成績は、見た目がA-、内容がC-、整合性がFというものだった。
そもそもがなんらかの悪しき目的でやっているのだろうから、内容がおかしく、日頃の教授の言動と異なっているのは当たり前ともいえる。
ちなみに、ダモダラン教授のビジネススクールの同僚である、情報系の教授は昨年ダモダラン教授のボットを開発している。
ダモダラン教授の公開情報をすべて機械学習させたもので、本人公認のボットだ。
その名もダモダラン・ボット、招待制で公開されている。
この分身によると、インテル株価のフェアバリューは16.34ドル(評価時の市場株価22.92ドル)だという。
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