ふくおかFGの佐々木融氏が、米国出張で聞いてきた話を紹介している。
興味深い2点を紹介しよう。
「みんな円に対して強気、円高方向を見ているという感じ。・・・
こんなにみんなが円ロング、円に強気、円買いポジションを持っていると言うのは珍しい。
これは円安是正がどこかで行われるのではないかというより、その(円安是正)のためにも日銀が積極的に利上げするのではとの期待感が強いようだ。
私は『それはちょっと難しい。私は円安方向を見ている』という話をしてきた。」
佐々木氏が自社YouTubeチャンネルで、多くの投資家の一番の関心事の1つに触れている。
IMM投機筋ポジションにおいてネット円買いが過去最高レベルまで積み上がっている件だ。
もちろんこの統計は円相場のすべてを網羅するものではないが、佐々木氏の話を聞く限り、実相は統計通りの状況にあるようだ。
佐々木氏は「今の円高局面も投機筋の円買い」によるものだとして、これがいつか巻き戻すと予想している。
こうした一方に偏ったポジションが巻き戻すと考えるのは極めてオーソドックスな考え方だろう。
そして、問題はいつも《それがいつになるか》だ。
佐々木氏はそれが始まるタイミングとして2つの可能性を例示している。
- 今週予定されている日米財務相会談で(為替について)何も新しい話が出てこない場合
- 日銀が利上げしても円高にならない場合
なるほど。
少なくともベッセント長官はドル安を望んでいないし、日銀が円の実質金利をプラスにするような大幅な利上げは考えられない。
いずれの例示も実現のハードルの低いトリガーだろう。
その現実を投機筋が甘受した時にどんでん返しの号砲が鳴るのかもしれない。
もう1つ興味深かった話が、市場の潜在的リスクについての話題だ。
多くの人が指摘していたリスクとは、ベッセント財務長官の解任だった。
今マーケット参加者が『そうは言っても米国は大丈夫』とある程度思っている理由は、ベッセント氏が財務長官だからということ。・・・
どこかで何らかの理由でベッセント財務長官を解任することになるようなら市場にとって相当ネガティブなインパクトになってくると言う人が結構いる。
私もそう思う。