ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、通貨の分散の重要性を説いている。
「金を投機的市場の金属と考えてはいけない。
金は貨幣と考えるべき。
中央銀行は金を貨幣として取り扱い、各国中銀の保有する第2の準備通貨は金だ。」
ダリオ氏がAxiosのインタビューで語った。
このインタビューは先月のダボス会議の期間に行われた。
トランプ大統領がデンマーク問題で欧州を批判し、そして再びTACOを演じた直後のタイミングだった。
世界を再三心配させる米政権の言動が、米ドルや米国債の売りにつながっていたのは否めない。
その後、次期FRB議長に(候補者の中では相対的に)タカ派のケビン・ウォーシュ氏を指名したことで、状況は少し緩和したように見えた。
米ドルが買われ、金が急落する展開となったが、長くは続かず、金価格は少し持ち直し5,000ドル台を回復した。
ダリオ氏は、米ドルの弱さと金の強さの背景として大きく2つの理由を挙げている。
1つは、米ドル・米国債の需給の問題。
これらは米政府+FRBにとって債務、保有者にとっては資産であり、近年の米財政悪化などから需給が悪化しているという。
同氏はこの点について、欧州・日本・中国も同じ問題を抱えていると指摘している。
もう1つは、政治的・地政学的な問題だ。
ダリオ氏は、特に地政学的な要因について語っている。
(債務者・保有者の)両方の側が関係について心配している。
保有者の心配とは(米ドル・米国債が)武器として用いられ、資金回収ができなくなるかもしれないことだ。
戦前の日本の歴史を見れば、日本の米国債保有者は、ロシア等が資金回収できなかったのと同様、回収できなかった。
ダボス会議では、トランプ大統領が改めてデンマーク領有に意欲を示した。
デンマークの年金基金が米国債売却の意向を示すと、欧州諸国に拡大するのを恐れたトランプ大統領は、欧州が米国債を売却すれば「大規模な報復」を行うと発言。
米長期金利は上昇し、ベッセント米財務長官がそれを日本の長期金利上昇のせいにする一幕さえあった。
ダリオ氏はこうした不透明で不和の多い国際情勢の中で、保有する不換通貨を分散させることは「思慮深いこと」と述べている。
もしもそうしなかったら、それこそ理解不能だ。
ダリオ氏によれば、米・欧・中、日の不換通貨に問題がある。
濃淡こそあれ、いくつかの国・地域の間で不和があるのも事実。
圧倒的に円とドルを保有することは「思慮」の足りないやり方かもしれない。
