ジェレミー・シーゲル教授が、これまでの長期投資の推奨どおり、弱気相場入りしても投資を継続するよう促している。
弱気相場開始時に投資したらどうなるのかと尋ねられた。
弱気相場の一部、20%ほどではさらに大きく悪化した。
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、弱気相場でも長期投資を継続すべきと奨めている。
市場が大きく崩れた時、さらに下げることを恐れていったん保有株を売却しておきたいと考えるのは人情だ。
さらに下げた後底値近くで拾い直すことができるなら、保有を継続するより将来までのキャピタル・ゲインを増やすことができる。
しかし、分はあまりよくないようだ。
さらに大きく悪化する確率が20%と小さいなら、このマーケット・タイミングがうまくいく確率も小さいのだろう。
シーゲル教授は1986年以降の弱気相場のその後を調べている。
投資後1、3、5、10、20、30年後までのリターンを見ると・・・
平均では常にバイ&ホールドが良好だった。
シーゲル教授が示したのは(この時間枠で見れば)弱気相場入りと同時にエントリーすることが確率的に正解だったということ。
言い換えれば、弱気相場入りしたからといって(確率的には)それを理由に売るべきでないということだろう。
もちろんこれは限られた期間の話だが、米市場という(長期で見て相当に安定した右肩上がりを示してきた)特異な市場では概して当てはまる話であろうと思われる。
米市場のレジリエンスは経験的に極めて強い。
ただし、その特異なパラダイムやレジリエンス自体が変化するのなら、今後も当てはまるとは限らない。
実際、多くの人が今それを疑っているように見える。
その他、注目のポイント:
- 米製造業の雇用: 過去80年持続的に低下しており、NAFTAや中国が加速させたというより、景気後退ごとに下がった。
先進国に共通。最も雇用を減らさなかったドイツはテック化・サービス化が遅れ、現在最悪の空洞化に。 - 利下げすべき: 中長期で見た期待インフレが高くないのに加え、FF金利と10年金利の逆転が理由。
- 関税の着地: 市場予想は10%、ただし中国は20%+といったところと推測。
仮にそのとおりなら悪影響は市場織り込みより悪くなるだろうが、関税率がもっと低くなる可能性もある。 - 最近のドル安: 急落ではあったが、ドルは過去10年の平均的水準。35年で見ればまだ高い。
米生産者にとって追い風、米消費者にとって逆風。 - 金: モメンタム相場であり、どこまで行くかは予見できない。
- インド: Appleが米国向けiPhone生産を2026年末までにインドに移すと報道。
できるのか疑問だが、インドには追い風。 - ローテーション: まだ起こっていない。下げると高ベータのMag7等の下げが大きく、そう見えている。
短期債利回り4.33%ではまだ起こらないが、3%まで下がれば配当株へのローテーションが起こるだろう。