モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、5,000-5,500のレンジ相場を予想しつつ、景気後退入りなら4,800を割り込むと予想している。
現在、業績予想の修正がかつてほとんど見られなかったほど広範に見られ、景気後退を回避すると仮定する場合の下限に近付いている。
ウィルソン氏が自社ポッドキャストで21日、米企業で進む心理悪化を紹介している。
景気後退となるか否かがハードデータ(実績のデータ)で明らかになるまで、S&P 500は5,000-5,500のレンジで推移すると予想し、その間引き続きクォリティ株を推奨している。
(先週(17日)のS&P 500終値は5,282.70。)
同氏は、シクリカル対ディフェンシブが1年前からすでに40%超低下している点を指摘。
市場は景気鈍化のシナリオをすでに織り込んでおり、「過度に悲観的」である可能性もあるという。
ウィルソン氏は、経済・市場について中期的にはコンセンサスより強気と見ている。
では、このレンジを抜けるのはどのようなケースか。
ウィルソン氏は、強気材料として今後出てくる規制緩和・利下げ・AIによる生産性上昇を挙げる。
株価は概して6か月後を織り込もうとするため、まだこれら強気材料を織り込んでいない可能性があるという。
一方、ウィルソン氏は、弱気材料として景気後退入りを挙げる。
たとえば、利上げやタームプレミアム拡大により、経済成長をともなわず長期金利が5%を超えるケースだ。
同氏によれば、市場は現在こちらに怯えている最中だという。
もしも景気後退が回避されるなら、市場は2週間前に底を打った可能性が高い。
もしもそうでなければ、S&P 500はその底値を割り込む可能性が高い。
弱気ケースの場合、4,800を割り込む材料も存在する。