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市場は投資家を侮辱しようと狙っている:ケン・フィッシャー

ケン・フィッシャー氏が、賢明なる投資家が陥りがちな落とし穴について警告している。


資本市場について多くの人が誤解しているのは、賢ければうまく行き、あまり賢くなかったり全く賢くなければ悪い結果になるといった相関があるというものだ。
これは賢いか否かというより知識の問題であり、賢いことは問題とはならない。
しかし、実際には、本当に本当に賢い投資家が最悪となるケースが多く存在する。

フィッシャー氏が自社ビデオで、賢ければ投資がうまく行くわけではないと論じている。
同氏の考えの根幹には市場が相当に効率的であるとの信念がある。
ほとんどの公開情報は、無数の参加者により構成される市場によって価格に織り込まれており、個々の投資家が情報の取り込みにおいて市場に勝るのは相当に難しいとの考えだ。

実際にトレードで継続的に儲けるには、どうにかして他の人が知らない何かを知っている必要がある。
それは容易ではなく、賢いかどうかとは関係ない。・・・
自分の意見が他の人の意見よりよいかの話ではない。・・・
あなたが自分を偉大と考えれば考えるほど、あなたが偉大でないことを市場が示すお膳立てが整う。
市場は『偉大な侮辱者』なのだ。

フィッシャー氏の主張は正統的なファイナンス理論どおりの教えと言える。
しかし、それでも世の中には長いホライズンで見て優れた投資家とそうでない投資家がいるのも事実だ。
もちろん一発屋を目指し運を天に任せて大きくギャンブルするやり方もあるが、多くの人にとってそれは目指す道ではないだろうし、長期平均を取ればそういうやり方の成果は平均を超えてはこない。
平均並みでよいのなら、インデックス投資に限るのが無難だ。
もしも平均以上を目指すなら、自分が賢いからうまく行くなどと考えない謙虚な姿勢が重要なのだろう。
何かベットする時に

  • 世界で自分以外に知らない正しい情報・知識を自分は持っているか?
  • 他にも知っている人はいるだろうが、その人たちがその情報・知識を用いて行動しないとの確信があるか?

と自問することが大切なのだろう。


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