ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏は、同氏が警告してきた債務危機はまだ市場に織り込まれていないと話している。
私は2007-08年に米財務省、2009-10年の前にECBを訪れ、この力学を説明した。
この力学とは概ね(債券の)需給のギャップであり、計算できることだ。
両方で言われたのは『市場に織り込まれていないのに、あなたはなんで心配するのか?』という話。
『市場に織り込まれていない』のは、実際に事が起こるまで油断するためだ。
ダリオ氏がMaster Investorの質問に答えた。
同氏が言及した「力学」とは、同氏が2013年以降一般に公表してきた債務サイクルの力学のこと。
同氏が受けた質問とは、同氏が警告してきた国債需給の悪化(≒金利上昇)がすでに市場に織り込まれているのかという質問だ。
ダリオ氏は、この質問への答として明確な結論を述べている。
「その質問への私の答は、No、市場に織り込まれていない、というものだ。」
つまり、国債需給の悪化、金利上昇の本格化はこれからのリスクだということだ。
国債や通貨が売られるとは、不快なインフレが起こることを意味する。
ダリオ氏は、かつてオランダ帝国、大英帝国、1970年代の米国の通貨に起こったことを振り返るよう奨めている。
それに対する投資上のアドバイスを求められ、従前からの一貫した意見を述べている。
「全体で中立のポジションにするには、つまり、予断を持たずにポートフォリオを最良のリターン/リスク比率に最適化するなら、15%を金またはビットコインにするとよい。
私ははるかにビットコインより金を選好しているが、それは投資家次第だ。」
(次ページ: ダリオ氏が奨めるポートフォリオの2つの部分)