ジェレミー・シーゲル教授が、従前どおりトランプ関税の弊害を指摘し、動かないFRBに対する苛立ちを募らせた。
もちろんまだ実績データには表れていないが、実績データに表れてからでは遅いんだ。
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、様子見を続けるFRBに対する苛立ちを繰り返した。
6-7日のFOMCはシーゲル教授の予想どおり無風だった。
教授は、従前から早期利下げが必要と主張してきた。
しかし、FRBはインフレ再燃の可能性も鑑み、早期利下げに慎重な姿勢を続けている。
シーゲル教授は、トランプ関税が米経済に少なからぬ悪影響を及ぼすと主張し続けている。
仮に関税率の着地が中国20%、その他10%まで降りてきたとしても、それでも高い関税であり、足下の景気への悪影響が避けられないとの考えだ。
関税が解決されなければ、FRBは(利下げに)出遅れることになる。
今週末、大きな救いとなる進展があるものと市場は期待していると思う。・・・
ベッセント財務長官の中国との会合でかなり前向きな進展がない場合、ネガティブな反応が起こるだろう。
(中国からの)船が入ってこないからだ。
仮にすべての関税が取り払われたとしても、供給ショックがあるのは避けられず、経済へのダメージは短期間では終わらない。
シーゲル教授は、すでに始まりつつある供給ショックはすぐには解消しないと心配する。
教授のトランプ関税、動かないFRBへの懸念は相当に大きい。
そこに抜本的な解決が見られない今、教授の考えはすっかり煮詰まってしまったようだ。
米株価水準については、いつものようにバリュエーションを分解した。
PER 20倍は実質期待リターン5%を示唆し、物価連動債利回り2%と比べ「大きな優位性」があると指摘。
教授は「長期で強気だ」と条件付きの強気を示し、ポジションの売却はしないと語った。
一方、関税交渉に進展があれば戻しもありうるとしたものの、大きなものにはならないとの予想も述べている。