マーク・ファーバー氏がいつものように、どこまで本気でどこからが悪ふざけかわかりにくい話をしている。
債券が上昇(≒金利が下落)するのは景気後退か、インフレ圧力がない時だが、今はインフレ圧力がある。・・・
みんな今後5年で失うお金を最も少なくするような投資哲学・戦略を学ばないといけない。
わかるかい、債券、米10年債なら少し購買力は失うだろうが、大金を失うことはない。
でも株式、多くの株式では最高値からすでに50%下落し、ここからさらに50%下落すると思う。
ファーバー氏がInvesting Newsで《終末博士》の本領を発揮した。
トランプ政権がいくら金融緩和の圧力を強めても、長期金利は下がらないという。
つまり、長めの債券には有利にはならないのだが、それでもファーバー氏は相対的に債券に強気なのだ。
定量的正しさはともかく、発言の趣旨をくみ取っておこう。
同氏は、債券がマイナスのリターンとなるのを覚悟してでも、株式の下方リスクを回避すべきと考えている。
ちなみに、ファーバー氏自身のポートフォリオは(若干の変化こそあれ)今でも金、不動産、株式、債券・現金に1/4ずつの配分なのだという。
同氏は、資産クラスだけでなく地域でも分散を図るべきと話している。
ファーバー氏は、その性格は別として、幼い頃から神童と呼ばれるほど高い知能を有する投資家。
(JPモルガンのジェイミー・ダイモン氏も、ファーバー氏のニュースレターを購読していた。)
毒舌が行き過ぎて失言してしまい、大手メディアから出禁となった。
その後、良くて仙人、悪くてホームレスを思わせる風貌に驚かされた。
今回見た目はかなりマシになっていたが、毒舌は健在。
トランプ大統領を経済等について「完全に無知」と蔑み、ベッセント財務長官も「たいして良くない」と評している。
大統領に対しては特に厳しい。
「ビジネスマンとして、トランプは一度も借金を返してきていない。一度もだ。
彼の会社は何度も破産した。わっはっは。
今は歴史的に見て面白い時期、滑稽な時期だ。
過去数人の米大統領の質を見ると、笑いを禁じ得ない。」
オーストリア学派のスイス人は、ケインジアンよりも軽蔑すべき人がいるようだ。
借金を返さない債務者。
(計画倒産での焼け太りを狙うやり方がビジネスマンとして尊敬されないとの見方は多い。)
これは、当面米国債を選好する上で、若干の心配を与えるポイントなのかもしれない。
「歴史上のすべての社会で、貨幣は増発されてきた。
貨幣が増発される場合、長期的には・・・いくらか金を保有するのが賢明だ。」
《Gold Bug》(金の虫)としても知られるファーバー氏。
だが、金価格の下落の可能性は十分に覚悟している。
資産価格が全体的に下がる局面では、金もまた売られることになるという。
それでも、同氏は金保有を奨め、保有のやり方にも注文を付けている。
「でも、1つ疑問符が付くのは、どこに金を保有するのかといった点だ。
私は、金をどこかに持っておいて、誰にもそのことを言わない。」
ファーバー氏はかすかに大戦後の混乱期の記憶があり、父母や祖父母から戦前・戦中の話を聞かされた世代だ。
米国であれスイスであれ、政府による私有財産の没収、または実質的な没収の可能性を無視していないのだ。
欧州全域と米国の政府は破綻状態にある。
それについて誰も疑念の余地はない。
長い目で見て、これら政府は支出を支払う能力がない。
不可能だ。
数学的に言って不可能なんだ。
