ジェレミー・シーゲル教授が、FRB内のポリティクスを想像しつつ、金融政策と米市場の見通しを語っている。
私はこれが、基本的にパウエル議長とFRBの独立に対する支持を示していると解釈している。
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、16-17日のFOMCの結果を解説した。
25 bpの利下げに対し反対したのは新任のスティーブ・マイラン氏のみだった。
同氏は、執拗にFRBに利下げを求めるトランプ大統領から送り込まれた人物だから、反対しても意外性はない。
注目はそれ以外の参加者が反対しなかったこと。
ドットプロットを見ても多様な見方が存在することがうかがわれるのに、反対とはならなかった。
この点をシーゲル教授は解釈したのだ。
シーゲル教授は、FRBが政権からのプレッシャーに屈しない意思を見せていると解釈した。
そのため、市場が年内2回と予想している利下げについても「確実ではない」と注意を喚起している。
ただし、教授自身は従前どおり年内2回利下げすべきと考えている。
シーゲル教授は、米経済が景気後退に陥る確率は極めて低いと考えている。
関税の影響が心配される消費が堅調なこと、住宅ローン金利(特にリスクプレミアム部分)の低下が顕著なことを理由に挙げている。
教授は景気後退確率について、地政学的イベント等不慮の要因が発生しない限り、通常の15-20%程度にとどまると予想している。
米市場については、利下げが再開されたこと、景気が悪化すれば利下げが加速するだろうことから、引き続き小型株が恩恵を受けるとの見通しを語った。