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円相場は政策次第。判断を迫られる分岐点に:佐々木融氏

ふくおかFGの佐々木融氏が、今後の円相場について「政策次第」と語っているが、話しぶりからは・・・。


(円安基調が継続するかは)これからの政策次第。
そういう意味で(今は)転換点、判断を迫られるという意味で分岐点だ。

佐々木氏が外為どっとコムのインタビューで、今後の円相場のポイントを話した。
衆院選後ドル/円はやや円高ドル安に振れているが、同氏はこの要因として選挙前に積み上がった円売りポジションの利食いの他、ドル売りの動きが出てきている点を挙げた。
つまり、まだ構造的な円安圧力はなくなっていないとの見方だ。
同氏は、円安の構造的要因としてマイナスの実質金利、対外直接投資等の資本流出を挙げた。

佐々木氏は、政策選択の「分岐点」に差し掛かっているとする理由を財政・金融政策の観点から説明した。

「金利を普通に自然体で上げていくという判断をするのなら、ある程度構造的な円安は収まるかもしれない。
金利上昇による財政圧迫が困るという形になると、円安が加速する。」

佐々木氏は、仮に長期金利が2.5%まで上昇し横這いになる場合、政府の利払い費が(消費税収と同程度の)25兆円程度になると試算。
これを避けるために短期・長期の金利の上昇を金融政策で抑制する場合、実質金利が抑えられ、円安要因が続くと話す。

佐々木氏は、インフレの面についても楽観していない。
今後しばらく減税・補助金(ガソリン、電気・ガス、高校の授業料、給食費)により一時的にインフレが下がると見込まれるが、これらは長期的にはインフレ押し上げの要因になると指摘。
仮に一時的なインフレ低下で安心して利上げを遅らせるようなら、その後インフレが再上昇し、実質金利が下がってしまうと心配した。

佐々木氏はアベノミクスの「3本の矢」について、3本目の構造改革が十分に成果を挙げなかったと振り返った。
現在のインフレや円安は非伝統的金融政策(量的緩和、マイナス金利)の「つけ」であると指摘。
1本目(金融政策)・2本目(財政政策)の効果が効いている今こそ3本目の矢に「フォーカス」すべきと話した。

従前から推奨してきた豪ドルやスイスフランが予想どおり好調であることに関し、調整局面への備えを尋ねられると、佐々木氏は直接的な回答を返さなかった。
これら通貨が好調である主因は円(、米ドル)の側にあるとの考えだ。

「昨年も結局、円はドルと並んで主要通貨の中で最弱通貨になった。
今年も年初からで円とドルの両方とも弱い通貨になっている。・・・
この構造的な円安が変化するなら豪ドル/円、ユーロ/円、スイスフラン/円も円高方向に向かうだろうが、変化しないなら、まだまだ円安方向に行くのだろう。」

佐々木氏は、調整への備えの方法については答えなかった。
同氏は円相場を「これからの政策次第」と言っているが、内心では従前と変わらず円安方向を見ているのだろう。

通貨とは、刷れば刷るほど価値を下げることができる。
・・・
豪ドル/円、スイスフラン/円(の調整)とは過去との比較の話。
それより日本の政策がどう変化していくのかを見ていく必要がある。


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