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債券王が語る「債券の人間」の特徴

一般投資家は、金融ニュースで話している識者の言葉をどう受け止めているだろう。
ある時テレビをつけたら債券(または格付)のプロが話をしていた。
たくさんリスクを挙げていたら、真っ暗な気持ちになって投資をやめてしまうだろうか。
あるいは、証券会社や運用会社のプロの話を聞いて、どんどんリスクテイクを増やしてはいないだろうか。


投資家は、これが感性や表現の問題であることをよく認識すべきだ。
投資家である限り、債券投資家であれ株式投資家であれリスクを取ってこその投資家だ。
しかも、概して債券投資家は株式投資家より金額規模において大きなポジションを取ることが多い。
話の内容がリスク中心だろうが夢が中心だろうが、慎重だろうが能天気だろうが、リスクを取っているのだ。

その意味ではセルサイド(仲介を行う証券ブローカレッジ部門)よりバイサイド(投資を行う運用部門)の方が少し安心できるかもしれない。
もっと安心できるのは、自分のお金、しかも大金を運用している投資家の言葉だろう。

いずれにせよ、テレビをつけて識者が話していたら、その表現をそのまま受け取らない方が無難だ。
ではどう受け取るべきか。
それが定点観測だ。
ある識者の見解を時系列で見ていくこと。
個々の話のトーンの絶対値にはたいした意味はないかもしれないが、相対値(時間とともに起こる変化)には意味があるだろう。
フィナンシャルポインターでは、特にこの定点観測を大前提にしている。
個々の識者の時点ごとの意見より、その人の意見の変化にこそ有益な情報が隠されているのだと思う。

さて、先述のガンドラック氏の発言は、AIブームに対するコメントを求められてのものだった。
「債券の人間」はこの後次のように続けていた。

「債券の人間は、モメンタム投資家にならないよう訓練されている。
私もそういうきらいがあるが、だからこそ夜眠れるんだ。
だから私はアーリーステージでない限りはモメンタム投資は好きじゃない。
そして、私はAIへのモメンタム投資がアーリーステージだとは思わない。」


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