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債券王が語る「債券の人間」の特徴

先日、ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が実に重要なことを率直に語っていた。
ベテラン投資家の皆さんならとっくに承知していることだが、あえて紹介しよう。(10月1日 浜町SCI)


私は債券の人間として育ってきた。
債券の人間はリスクを過剰に分析しなければならない。
債券はゆっくりと儲かるものだが、損をする時は一瞬で起こる。
あっと言う間に格下げやデフォルトが起こり、うまくいった時の儲けよりはるかに大きな損失になってしまうからだ。

ガンドラック氏がUBSのポッドキャストで、債券投資家の宿命を語った。
債券をはじめとして債務性資産への投資は減点法の世界であり、ほぼ100点満点が要求される。
高々年数%のリターンしか得られず(特殊なモノでない限り)アップサイドは決まっているから、絶対に回収不能となっては困る。
こうした世界のプロになるには、リスクに対する感性が大いに要求される。
これが時としてネガティブすぎる対応・表現を生むことがある。

その対極にあるのが株式投資家だ。
徹底的に能天気であり、物事のアップサイドばかりを優先する。
彼らにとってダウンサイドは株式の価値がゼロになるだけ。
株価が逆に2倍、3倍、10倍になりうるなら、ダウンサイドなど問題ではない。
リスクより夢ばかりを語りたがり、他の人をリスクテイクに引きずり込もうとする、たちが悪い人も多い。

ちなみに、もう1つよく見かける類型にエコノミストという人種もある。
こちらは、リターンから遠い話をとことん無責任に語る輩である。

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