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ハワード・マークス 今後数か月、数年は「面白い」時期に:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏は、市場がリスクに対してより慎重になり、「面白い」(interesting)時期になると予想している。


「しばらくよい時期が続くと、損失可能性についての意識が薄くなる。
投資家のリスク許容度が上昇し、デューディリジェンスよりも取引に積極的に参加することの方に集中するようになる。
結果、(投資)基準の低下が起こる。」

マークス氏が四半期の書簡で、ファーストブランズやトライカラーの破綻に端を発する信用不安についてコメントした。
すでにMemoで論じたとおり、この問題が金融システム全体にかかわる「システミック」なものではないと書いている。
特定企業に固有の問題であるとするものの、16年続いた「よい時期」がもたらした緩みの表れであり、「定期的に繰り返される行動現象」であるとして「システマティック」なものだと指摘した。
マークス氏はこの「展開」を前向きに捉えている。

これからの時期は、よい時期に生み出された誤りが明らかになるにつれ、より『面白い』時期になる可能性が高まる。
一方、最近のクレジットにかかわるイベントは貸し手や投資家を懲らしめ、警告を与えるだろう。
したがって、今後数か月、数年は彼らの意思決定の慎重さのレベルは再び高まる可能性が大きい。

ファーストブランズ等に端を発するクレジット市場での警戒感は、その後のAI投資のための債務発行に対する厳しい目の一因となった面がある。
この「システマティック」な不安は、今や株式市場にまで波及している。
マークス氏の主戦場はディストレストだから、慎重な市場がもたらす信用スプレッド拡大は大いに「面白い」のだろう。
一方、一般の株式投資家にとってはどう「面白」くなりうるのか、一ひねりが必要かもしれない。


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