レイ・ダリオ氏は2021年の出版の時点ですでに国際情勢に関し油断は禁物と考えていたのだろう。
「1900年に入ると、富の格差と妬みが増え、債務が拡大したことを除けば、すばらしいように見えた。
1900年から1914年の間にこうした状況が悪化し、国際的な緊張が高まった。
そして先述のひどいリターンの時代になった。」
戦争が近づき、戦争が起こり、世界中の資産リターンが低迷を続けたのだ。
「ひどいリターン」は、その中身が悲惨だったという。
つけ加えると、資産没収、没収的課税、資本規制、市場閉鎖が富に及ぼした影響は甚大だった。
今日の投資家はそうしたことを知らず、過去数十年を振り返ったことがないゆえに、こうしたことが起こりえないと考えている。
ダリオ氏は最近富裕税(特に含み益課税)がバブル崩壊の引き金となりうるとの意見を表明している。
格差拡大や政府財政悪化が、これまでは考えられなかった政策を実現させる可能性を見ているのだろう。
同氏からすれば、それもまた同氏が歴史から抽出した「ビッグサイクル」の通例なのだ。
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