ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、債務「ビッグサイクル」の観点から、今後投資の世界で起こりうることを暗示している。
・・・1900年に遡って、その後10年ごとに投資の結果がどうなったかを振り返ってみた。・・・
10か国のうち7か国で少なくとも1回全資産がなくなった。
そうでない国々でも財務的に実質破綻させるほど資産リターンが悲惨となった10年間がいくつか見受けられる。
ダリオ氏が自身のSNSで、20世紀以降の歴史の中で起こった投資リターンの低迷期を紹介した。
2021年の著書『世界秩序の変化に対処するための原則』(リンクはamazon)の第7章「ビッグサイクルに照らし合わせて投資する」を公開したものだ。
1900年から2020年までを10年ごとに区切り、株式・債券・現金の年あたり実質利回りを計算している。
中には年利回りがマイナス数十%のところがあり、これは10年で見ると購買力がほぼ失われたことを意味する。
(例えば年-30%だと、10年では-97%になる。
年-5%でも10年では-40%になる。)
10か国の内訳は
- 資産価値の消滅を逃れた国: 米国、英国、オランダ
- 資産価値が消滅した国: 日本、ドイツ、イタリア、フランス、ロシア、中国、オーストリア⁼ハンガリー
こう見ると、2つの大戦で最終的に戦勝国側になり、かつ国がひどく破壊されなかった国で、資産の価値が保たれたことが想像できる。
(オランダは現在の国土はひどく破壊されたはずだが、かつての帝国内の領土・財産が大きかったのだろう。)
しかし、個々の10年間を見れば、米・英・蘭であっても、大きな減価を逃れられなかった時期が存在する。
つまり、大きな戦争・財政悪化になれば、保有資産の価値を保つのに針の穴を通すような資産クラスの選択が必要になるということだ。
ダリオ氏は第1次大戦以前の状況を次のように記述している。
「みんな今では、第1次大戦について、その数年前には容易に予見できたはずと仮定するが、そうではなかった。
戦前の50年間、世界の列強の間ではほとんど紛争がなかった。
その50年間、世界は史上最大のイノベーションと生産性上昇を実現し、それが巨額の富と繁栄に導いた。
グローバル化がかつてなく高まり、第1次大戦前の50年間で世界の輸出は数倍に増えた。
かつてないほど国家間の関係が強まっていた。」
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