モルガン・スタンレーのセリーナ・タン氏が、原油高の経済・市場への影響を3つのシナリオで予想している。
今や(原油価格が)高水準になると、その影響は非線形となる。
原油は単なるインフレの話ではなく、直接需要と経済成長の重しとなり始める。
タン氏が自社ポッドキャストで2日、原油高騰の経済・市場への影響を解説している。
「非線形」とは、原油価格の水準によって非連続な結果を生むという意味だ。
《ショック前への回帰》か《金融引き締め+経済鈍化》のいずれかになるという。
そのため、同氏は今年の原油価格について3つのシナリオを用意し、その帰結を予想している。
| 原油 | 80-90ドル |
| 株式 | リスクオン。一般消費財・金融・工業が強く、ディフェンシブが出遅れ |
| 債券 | インフレ期待低下で利回り低下(≒価格上昇) |
| 為替 | ユーロ/ドルは1.17超へ上昇も |
| 原油 | 100-110ドル |
| 株式 | ボラティリティ高止まり。短期S&P 500は6,400-6,850レンジ。クォリティ、ディフェンシブ(ヘルスケア等)へ |
| 債券 | 信用スプレッド拡大で下げ圧力 |
| リスク | インフレから景気後退へ。スタグフレーションにより株式・債券が順相関に |
| 原油 | 150-180ドル |
| 株式 | エクスポージャー縮小。ディフェンシブ(公益・通信・エネルギー等)へ |
| 債券 | 国債・現金へ。ハイイールド・スプレッド大幅拡大も |
| 為替 | 米ドル高。ユーロ/ドルは1.13へ下落も。スイスフランが買われる |
タン氏は近時の米市場について、予想PERがすでに15%低下したとし「リスクの大部分は織り込み済み」で、市場心理も改善しているとも述べている。
文脈を見る限り、ここでの「リスク」とは前2つのシナリオのことを指しているのだろう。
つまり、「海峡閉鎖シナリオ」が実現すれば、話は大きく違ってくるということだ。
