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ビル・グロスが教える量的緩和の終わり方
2016年8月3日

債券王ビル・グロス氏の8月の月例書簡は、大きな声では言えないQ&A集だ。
「心配するな」といいながら、書いてあることは万人を心配させる内容になっている。

毎年荒れる8月に、グロス氏がタブーを破った。
世界中の誰もが心配しているさまざまなテーマに、目を背けることなく向き合っている。
グロス氏が予想することがすべて的中するとは限らない。
しかし、海外では、グロス氏と同様の考え方をする人が少なからずいるであろうことは認識しておく必要がある。

Q1. 信用に基づく金融システムはいつ爆発・崩壊するか?

A. 「投資対象となる資産のリターンがあまりにも小さいのに、リスクがあまりにも大きい時。」

グロス氏はそれがすぐに起こるとは言っていないが、限界的には起こっていると示唆する。
低金利・マイナス金利のクレジットが嫌われ、金やタンス預金が好まれている。
銀行は中央銀行に準備預金を積み上げているが、リスクが大きくて貸出に回せない。

Q2. ゼロ金利近傍で資本主義は有効に機能するのか?

A. No.

低金利は資産価格を上昇させることはできるが、信用に基づく事業モデル(銀行、保険、年金、個人)を破壊してしまう。

(次ページ: 債券王が予言する量的緩和の終焉)


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