ウォーレン・バフェット氏からバークシャー・ハザウェイCEOを引き継いだグレッグ・アベル氏が、初となる株主への書簡を公表した。
その中から、日本の5大商社への投資(それぞれ10%前後の持分を維持)に対するスタンスを紹介しよう。
(米主要投資先と)同じ基準を日本への投資にも適用している。
日本への投資は主要な米企業への投資と同様、重要かつ価値創造の機会になると考えている。
アベル氏が、日本の商社への投資について従前のスタンスを踏襲した。
米主要投資先とはアップル、アメリカンエキスプレス、コカ・コーラ、ムーディーズ等を指し、5大商社は三菱商事、伊藤忠、三井物産、丸紅、住友商事だ。
バークシャーは、(取得コストで)円建て投資とほぼ同額を借り入れており、その平均調達コストは1.2%、加重平均残存償還期限は約5.75年だ。
バークシャーからすれば、為替リスク(特に円安リスク)がヘッジされたポジションになっている。
しかも、調達コストが低い。
絶好の(実質的)円キャリートレードになったわけだ。
これらポジションを合わせると、市場価値にして年末で合計1,940億ドルとなり、弊社の株式ポートフォリオ2,978億ドルの約2/3を占める。
ここから合計25億ドルの配当を受け取り、これは当初取得金額245億ドルに対し10%の利回りとなる。
かつて米国への投資に集中していたバークシャーからすれば、日本へのエクスポージャーやコミットは相当に大きくなっていることがわかる。
いや、これは日本に対する投資というよりは世界経済に対する投資と言うべきだろう。
同社は日本の商社を通してポートフォリオの地理的分散を高めたのだ。
しかも、異様に低い円金利を用いた(実質的な)キャリートレードでだ。
商社による世界への投資が相応のリターンを上げ、円の価値が下がるごとに、この円キャリーは良好なリターンをもたらしてくれる。
バークシャーは近年、大口の米投資を減らしてきている。
米国へのエクスポージャーが過大にならないよう配慮しているのだろう。
いわゆるオルカンにおける米国株比率が2/3程度であることを考えると、同社がかなり有意に米国を避けている様子がうかがわれる。
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