ハワード・マークス氏はプライベートクレジット市場がここまで拡大してきた理由として、信用サイクル・長く続いた金利低下局面・超低金利に関係していたと振り返っている。
それと似たメカニズムによって、プライベートクレジットとも関係の深い分野が今後運命を共にする可能性を指摘している。
概して(プライベートエクイティ(PE)業界の)成功は、PEファンドのよい買収企業の発掘、企業保有文化の植え付け、戦略・金融手段を通したバリューアップの能力によるものだ。
しかし、その利益の大きな部分は、事実ほどには認知されていないが、プライベートエクイティが発展した金利環境によるものだ。
プライベートエクイティ業界の発展は、ボルカーショック後に始まった40年に及ぶ金利低下局面と重なる。
LBOなどレバレッジを用いた買収がリターンを高めたのは間違いない。
上記のマークス氏による評には、お隣さんであり潜在的パートナーであるPE業界への配慮が見える。
実際はどうかと言えば、多くの市場関係者は、PEファンドのリターンの主たる要因を事業自体の改善ではなく金融エンジニアリングによるものと感じているのではないか。
プライベートクレジット業界の問題が今表面化している一因は金利サイクルの反転、つまり低金利の終焉がある。
金利低下局面におけるレバレッジは強い追い風になるが、金利上昇局面では向かい風になりかねない。
ならば、PEについてもこれが悪影響となっているはずなのだ。
つまり、PE投資でも良い運用者による良いファンドの選別が重要になるということだ。
「今後、投資先企業のパフォーマンスは、PEファンドの選別・投資・経営のスキルに大きくよることになる。
これらに加えて投資先企業の売却のやりやすさが、プライベートローンを含む企業買収のための債務性資産のパフォーマンスを大きく左右するだろう。」
プライベートクレジットを含むクレジットの世界とプライベートエクイティの世界は、互いに深く関連している。
マークス氏の書きぶりを見るかぎりどうやら当面パフォーマンスは正相関が強そうに聞こえるから、プライベート市場は公開市場以上に注意して望むべきなのだろう。
