ふくおかFGの佐々木融氏が、従前どおり日本円について弱気の見通しを語った後、有望な通貨をいくつか挙げている。
来年に向けて(ドル円は)160円台に円安ドル高になっていくのではないか。
佐々木氏が外為どっとコムのインタビューで、来年にかけての円安ドル高を予想し、いくつか理由を挙げている:
- 円安: 国際収支の悪化、対米投資の約束から「円は構造的に弱くなっている。」
- ドル高: 日本・EU・韓国が約束した対米投資の合計は3年半で1.5兆ドル。一部でも実現するならドル高圧力に。
- 仮にドル高とならないなら、ユーロ円やスイス円が上がる。
佐々木氏の考えは明快だ。
米国も日本も貨幣を増発する構図にあり(あるいはあった)、ドルも円も弱含みだが、ドルには買われる要因も強いというもの。
佐々木氏は特に円に対して弱気だが、日本株の名目株価についてはややニュアンスの異なる話もしている。
「インフレの世界では・・・あっという間に名目値は膨らんでいく。
今までの名目GDPと日経平均株価の相関をそのまま使うと、名目GDPが1,000兆円(自民等の2040年度目標)になると、日経平均株価は150千円になる。
インフレ率の高い国では、上下動こそあれ、基本的に(名目)株価は上がっていく。
自分も日本株を保有している。」
この発言からは、日本株の名目株価だけでなく実質的価値の上昇も見込んでいるとのニュアンスが感じ取れる。
佐々木氏は、広義の通貨の中からいくつか有望な投資先を挙げている:
- 豪ドル: 地政学的リスクが低い。エネルギー・食料を自給。
- スイスフラン
- 金: 貨幣増発による貨幣の価値の低下の裏返しで上昇。