ジム・チャノス氏が、ビットコイン保有会社ストラテジー(旧名 マイクロストラテジー)株式のポジションを解消していたことを明かした。
いくつか照会を受けたとおり、わが社がストラテジー株/ビットコインのヘッジ・トレードを昨日寄り付きに巻き戻したことを確認する。
チャノス氏が7日ツイートした。
ツイートには2つの画像(左は経済計算、右は乖離状況のグラフ)が添付されている。
As we have gotten some inquiries, I can confirm that we have unwound our $MSTR/Bitcoin hedged trade as of yesterday’s open. pic.twitter.com/lgrWNy35H8
— James Chanos (@RealJimChanos) November 8, 2025
同ポジションは、ビットコイン保有会社の株価が保有するビットコイン等に比べ大幅に高くなっていた時期に始まった。
相対的に割高な株をショートし、ビットコインをロングするヘッジ・ポジションだった。
チャノス氏は同ポジションについて、株を売ってビットコインを買うという意味で、ストラテジー社と同じことをやっているだけ、と皮肉っていた。
ストラテジー社のビットコイン保有は、世界中で模倣者を生み、日本もその例外ではない。
その多くが似たような展開を迎えている。
結果(ツイート右のグラフのとおり)株価と保有ビットコインの間の乖離は縮小し、チャノス氏は大きな利益を得た。
保有ビットコイン等の価値(赤線)が振るわない中、企業価値(青線)は夏をピークに急落に転じた。
同じようにストラテジー株を売ってビットコインを買ったのに、チャノス氏は大きく儲け、ストラテジー株主は危うい状況に置かれている。
この違いは、ストラテジー社(あるいはその経営者)と株主の間の利益相反を示している。
本当に恐ろしいのは、この関係が今後にどう作用するかにある。
ストラテジーは元々ITシステムの会社だったが、時価総額全体に占める重要度は皆無に近い。
今や同社はビットコイン等をトレードするクローズドエンド・ファンドである。
そのファンド・マネージャーにとってビットコイン価格の低迷は、それだけ切り取れば買い意欲を増す要因となりうる。
(暗号資産にファンダメンタルズがない分、その力は強いのだろう。)
一方、株価の低迷はポジション拡大の一定の歯止めとなりうる。
現実はどうかといえば、同社マイケル・セイラー氏は永久優先株(STRC)での調達によりビットコインを買い増す意向だと報じられている。
