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ジェレミー・シーゲル教授からのお年玉:今年もよい年になる

ジェレミー・シーゲル教授が年初のポッドキャストで、あと1年よい年になると予想した。
「あと1年」に深い意味があるかどうかには触れなかった。


現時点では、あと1年よい年になると予想している。
しかし、PERがさらに拡大するかについては大いに慎重であるべきだ。
FRBが利下げしても長期債利回りは4%超にとどまるだろうからだ。
私はまだFRBが利下げすべきと考えているが、話してきたように、それが長期債利回りを大きく押し下げるとは限らない。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、2026年の米市場について強気の見通しを述べた。
(上昇幅には言及していないが、前週には5-10%という数字を語っている。)
利下げによるPER拡大は期待すべきでないというから、EPS拡大による株価上昇を見込んでいるのだろう。
また、教授は前段で従前どおり、1月に3つの波乱要因がありうるとも述べている。

シーゲル教授は米経済の中立金利を尋ねられると3%台の下の方、3.25%と答えている。
(現状のFF金利誘導目標は3.50-3.75%。)
教授は、通常の長短スプレッドが1%であると紹介し、この中立金利の推定値がすでに現在の長期金利にすり合う水準にあると示唆している。
つまり、FF金利が中立金利まで下がる場合でも、長期金利が現状のままで何らおかしくないと言いたいのだ。

シーゲル教授は、仮に次期FRB議長がケビン・ハセット氏になる場合、いくらかインフレ・バイアスがかかると予想する。
その場合は、長期債が5-15 bp影響を受けるかもしれないという。

シーゲル教授は、AI活用がもたらす生産性上昇の影響についても言及している。

「もしもAIがスピードアップすれば、中立金利は上昇するものの、生産性は下がる(訳注:おそらく「上がる」の言い間違い)から、インフレは下がることを意味する。
だから、実質GDPが上昇する場合でも、FF金利が上がるとは限らない。」

シーゲル教授は、生産性上昇が顕著になれば、さらなる利下げ余地が生まれると解説した。

もしも生産性革命に突入するのなら、それは株式市場にとってはよいことであり、間違いなくインフレにもよく、インフレを押し下げる。
だから、今年6月までにFF金利がさらに50 bp引き下げられる可能性がある。

中央銀行が金融引き締めを行うのはインフレ退治のためだ。
インフレがほどよい状態に向かうなら、景気や市場が温まっていても引き締める必要はない。
その場合、現状のFF金利誘導目標3.50-3.75%からさらに引き下げうるという話になり、50 bp下げるとシーゲル教授の考える中立金利水準まで下がることになる。
ちなみにCME Fedwatch Toolによれば、市場が予想する今年6月時点の誘導目標は3.25-3.50%が最大(確率41.6%)次が3.00-3.25%(同31.7%)。

仮にFRBが好景気の中で利下げを継続するとなると、老人たちの脳裏には1990年代後半のことが思い出されてくる。
好景気なのに生産性が上昇しているように見え、インフレが起こらない。
マエストロの異名をとった当時のFRB議長は利下げを行い喝采を浴びた。
後に、それがドットコム・バブルの一因になったとの批判を甘受することになった。

(1/3 FRB議長人事による長期債への影響の記述を原文に忠実に修正しました。)


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