ジェレミー・グランサム氏は、人間や市場の持つ楽観バイアスを指摘する。
「疑問がある時、私たちは最善を仮定する。
あまりにも多く物事が悪い結果に終わってきた、と歴史が繰り返し教えているにもかかわらずだ。」
グランサム氏は、株式市場では楽観バイアスだけでなく、時として悲観バイアスが働くことも指摘している。
・・・リスクに対して市場はめったに重要な変化を予見しようとはしない。
その真逆に、市場は今日の状態を遠い将来まで外挿する。
グランサム氏はPERとEPSの間の傾向を説明する。
市場が悲観を強めている時、実績・予想EPSが低くなることが多いが、その際にPERも低くなる傾向がある。
逆に、楽観が強い時、EPSは高くなることが多いが、PERも高くなる傾向がある。
実際には、EPSにはトレンドへの「かなり速やかな中央回帰」があるという。
EPSが低い時、EPSの中央回帰を予想するならPERは高くあるべきだし、逆もまた然りなのだ。
言うまでもなく、現在はEPSとPERがともに高い状況にある。
むしろありそうなのは、投資家の自信が遅かれ早かれ限界に達し、AIバブルが萎んで、経済の大きな失速、利益急減、バリュエーションの深刻な低下が起こることだ。
しかし、現在は、バブルの頂点を示す重要な兆し(最も投機的な株の崩壊、クォリティ株の顕著なアウトパフォーム、そして常に起こることとして幅広い市場での上昇速度の鈍化)はまだ明確になっていない。
つまり、現在がバブルであると確信するものの、崩壊の兆しはまだ見えない、ということだ。
なお、このコラムの後半では、元GMOで著名作家のエドワード・チャンセラー氏がグラフを交えてテクノロジー・バブルについて俯瞰している。
