ケン・フィッシャー氏が、季節性のアノマリーについて「神話」の類であるとして正当性を却下している。
私が子供の頃、小さな少年として、もちろんサンタクロースを信じていた。
いいことだし、素敵なことだ。
でも現実には、サンタクロース・ラリーは、多くの季節性の神話やその他の暦に関わる神話の一種にすぎない。
それらは統計を取れば、成立しない。
正しく分析すれば、すべては消えてなくなる。
フィッシャー氏が自社ビデオで、季節性のアノマリーが迷信にすぎないと断言した。
サンタクロース・ラリー開始の時期に際し、市場にはサンタクロースはいないというのだ。
サンタクロース・ラリーとは、米市場においてクリスマスの時期以降1月にかけて株価が上昇することが多いというアノマリーだ。
フィッシャー氏は、迷信をいくつも列挙している:
サンタクロース・ラリー
夏のラリー
1月が通年の相場を示す
9-10月が最悪の時期
5月に売って秋に戻れ
秋は下がる
その他、短期的マーケット・タイミング
フィッシャー氏は、これらアノマリーを用いてリターンを高めることはできないと断じている。
「統計学者がやるように正しく統計的に分析すれば、これらはすべて統計的に間違っている。
みんなに信じたいと思わせるような分析のやり方は多くあるが、それらは統計的に間違っているため、頼れるものは何もない。」
行動ファイナンス的な観点から季節性のアノマリーを信じる人は少なくない。
しかし、フィッシャー氏は自信満々にそれを否定する。
その自信の背景には、統計的な検証の他、相当に市場が効率的であるという確信があるようだ。
仮に有意に成立するアノマリーが存在するなら、それに基づくトレードを実践する人が表れ、大金持ちになっているはずだ。
「もしも投資がそんなに簡単なら、広く知られた情報すべてを織り込む市場は、それを織り込んでしまう。」
市場がアノマリーに基づくトレードを織り込めば、そのアノマリーは消滅することになる。
フィッシャー氏の言う統計的間違いとはどこにあるのだろう。
ほとんどの場合、少数の極端な事例が平均を動かしてしまうことから起こる。
そして、それら少数の極端な事例はもちろん単なる偶発的事象なのだ。
確かに、例えば、過去の月別リターンの平均だけを取って、こういうアノマリーがありますよ、といった主張は統計的に正当なものとは言えない。
何かしゃべらなければいけない立場の人にとっては都合のよい話題なのかもしれないが、真に受けた人はミスリードされてしまう。
こうした安易な話は、眉に唾して聞くのがよいのだろう。
