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ケン・フィッシャーとレイ・ダリオの金に対する最大公約数

ヘッジファンド業界の雄、ケン・フィッシャー氏、レイ・ダリオ氏が奇しくも同じ30日、金投資に対する考えを発信している。


ケン・フィッシャーは金を重要視せず

「この話であなたが不安にならないことを祈ります。」

金投資について語った自社ビデオでのフィッシャー氏の最後の言葉だ。
それほど「この話」は夢を奪うタイプの話だった。

金価格急騰、史上最高値圏に
金先物価格推移

同氏はビデオの冒頭で、いつも批判の的になるという、金に対する自論を述べている。

あなたがどこに行こうが、金を必要とすることはない。
でも、いろんな人が必要と考えており、それはそれで結構だ。

要は、フィッシャー氏は金に対して興味がないのだ。
そして、同じ観点から、暗号資産にはもっと興味がないという。
趣旨を理解するため、同氏が言及したいくつかのポイントを紹介しよう:

  • 金価格は、金というモノへの需要の結果ではなく市場心理によって変動するため、予想が難しい。
  • 過去を振り返ると、大きく上昇するのは15-20%の期間のみで、残りの期間は出遅れたり損失を出してきた。
  • 上昇する時期が多い株式と比べ、よりマーケット・タイミングが重要だが、とても難しい。

金は必要か?・・・金は安全資産か?
いや、株式や債券に対してヘッジの性質を有していない。

  • 2022年ほかの市場下落時、金は株式・債券と正の相関だった。
  • 長期保有ならインフレ・ヘッジになるが、金を長期投資の対象とする人は少ない。
  • 長期保有でインフレ・ヘッジとするなら他にも(原油など)多くの選択肢がある。

フィッシャー氏は結論を繰り返す:

「金でマーケット・タイミングを試みるのはとても難しい。
もしもできると思うなら健闘を祈る。
統計的にはあなたは間違っているが、正しいかもしれない。
幸運を。」

これが株式投資で特に有名なフィッシャー氏の結論だ。

(次ページ: レイ・ダリオの金への向き合い方)


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