海外経済 投資

まだ結論は出ていない:ジェレミー・シーゲル
2025年10月5日

ジェレミー・シーゲル教授は、米国株市場がまだ上昇トレンドにあると指摘しつつ、日頃より慎重なトーンで生産性上昇について解説している。


始まった今四半期は、消費支出にとって試練の四半期になる。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、第4四半期から本格的な顕在化が予想されるトランプ関税の影響について警戒した。

シーゲル教授の米経済に対する見方は決して悲観的なものではない。
雇用面では(民間統計を引いて)鈍化しているものの急激な悪化は見られないと指摘。
物価面では、住宅、原油、景気敏感なコモディティを見てもインフレ圧力は落ち着いていると解説した。
教授は米経済が堅調と見ているが、FRBの利下げは続くと考えている。
(前日のCNBC出演では、年内あと2回のFOMCでの25 bpずつの利下げを予想していた。)

「まだ25 bp(利下げ)の可能性が高いだろう。
10年債と先物市場がそう予想しているし、この先潜在的な鈍化の可能性があるからだ。
確実ではないが、鈍化の可能性がある。」

シーゲル教授はこれまで、関税による深刻な影響は見られていないとの観察を話し続けてきたが、まだ完全に警戒を解いたわけではなく、むしろ本格化するのは今四半期以降と見ている。
このため、むしろ今、警戒度が高まっているようだ。
一方、教授が従前期待してきたのは、関税等の悪影響をAI活用による生産性上昇がオフセットするとのシナリオだ。

PERが3桁と高水準にあるテスラ株がドットコム・バブルの再来を暗示しているのでは、と質問されると、シーゲル教授は、テスラ株が自動運転への期待で買われていると解説する一方、AI銘柄も含めて判断にはまだ時間がかかると答えている。

「企業はこれら支出について生産性や産出を増やすことで正当化しなければならない。
さもないとこの先利益率を損ね、利益を害してしまう。
繰り返しになるが、このシナリオはまだ途上であり、動向を注視しないといけない。」

いつもAIが生産性を上昇させるから株も上がると強弁するシーゲル教授だが、胸中は思いのほか冷静なのかもしれない。
今後は、個別の銘柄・セクターの動向が重要になるのだろう。

たくさんのいろいろな話が聞こえてくる。
完全自動運転についてはほぼ実現しそうで、大きな節約が実現できそうだ。
その他の生産性上昇の実現については、まだ結論は出ていないと思う。


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