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まだまだ割れているモルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーは最近、経済・市場についての2026年見通しを一連のポッドキャストで配信している。
それらを聴く限り相当に強気であることがうかがわれる。
同社セルサイド、マイク・ウィルソン氏は19日のポッドキャストで、米労働市場への心配を認めた上で、従前どおり、おそらく調整が入った後に上昇に転じるとの強気スタンスを語っている。


「私たちの考えでは、こうした労働市場と政権の『高圧経済』志向によって、最終的にはFRBが現在の市場予想よりもハト派的な政策を選択する可能性が高い。
タイミングだけの問題だ。」

市場ではこのところFRB利下げに対する期待を後退させている。
ウィルソン氏は、労働市場の悪化を半ば覚悟した上で、新議長の率いるFRBがハト派に転じると読んでいる。
米政権はプロ・ビジネスであり続けるため、政府・中央銀行の後押しにより当面は強気相場が続くとの考えだ。
同氏は従前から、米市場が4月の「解放の日」以降の下げの後、新たな強気相場に入ったとの考えを主張している。
今後12か月のS&P 500目標を7,800とし、来年の企業利益の17%増加、株価倍率のわずかな縮小を見込んでいる。

  • 有望セクター: 金融、工業、ヘルスケア、一般消費財
  • (2021年以来で初めて)サービスより財
  • 半導体よりソフトウェア
  • (2021年3月以来初めて)大型株より小型株

以前も述べたとおり、社内で意見が割れること、それが社外にまで発信されることは悪いことではない。
むしろ優れた投資銀行の1つの特徴と言えるかもしれない。
大切なのは、聞き手である投資家がどう受け取るかだ。
先を予想してそれに賭けるのだけが投資ではない。
むしろ、正統的な投資とは(読者が神でないかぎり)将来がどちらに転んでも大けがをしないことに重点がある。
現在の米市場を代表する2つの見方は、そのためのよい参考資料になるのではないか。


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