米モルガン・スタンレーの中で強気・慎重で見方が割れていると以前紹介した。
暑い夏が終わり、冬が近づいたが、その状況には変化がないようだ。
まずモルガン・スタンレー バイサイドのリサ・シャレット氏の17日のポッドキャスト:
今年の大きな上方サプライズの1つは底堅い米消費だ。・・・
現在の米国株市場に織り込まれた強気ナラティブは、この強い消費が2026年も続くことを仮定している。
K型経済を前提にすると、これはあまり確実ではない。
ある意味バイサイドらしく慎重な見通しを述べている。
このポッドキャストは特段日本の投資家に宛てたものではないが、概して保守的スタンスが好きな日本人には好まれる話し方かもしれない。
「2026年に景気を刺激する規制緩和と生成AI関連設備投資が上げ潮を生み出し全面高になるとの強気見通しは、中・低所得者層も再加速しない限り現実とはなりえない。」
シャレット氏は、米消費へのハードルとして消費者の信用状況についての不安、労働市場の悪化、アフォーダビリティの欠如を挙げている。
特に中・低所得者層で、逆風が吹いているという。
これらの層の限界消費性向はトップ20%の6倍だというから、高所得者だけで消費を支え切るのは難しいとの考えだろう。
同氏は現環境での投資について、保守的な推奨を述べている:
- 株式の銘柄選別の徹底
- 「最大の戦略的資産配分分散」のためのリバランス
- 集中投資を避ける
- 高ベータで利益率の低い中小型株・投機的銘柄の売却
- 大型・主要・クォリティ株: マグニフィセント7、生成AIの恩恵を受ける金融・ヘルスケア・エネルギー銘柄
- フィクストインカム: 格付のよいもの。ベンチマーク並みのデュレーション
- 外国株、金を含む実物資産、厳選したプライベート・インフラ投資
しかし、こうした保守的スタンスはモルガン・スタンレーのメインストリームではなさそうだ。
(次ページ: 同社エコノミストやセルサイドは強気を継続)
