アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、楽観的な米市場とは裏腹に、地政学的状況が悪化の方向に向かっていると指摘している。
「今2つのことが起こっている。」
エラリアン氏がCNBCで、楽観を続ける米国株市場について解説した。
16日のS&P 500は前日比+0.94%の6,033.11で引けた。
週末のイスラエル/イランの軍事衝突、原油価格の上昇に対してもプラスで反応した。
イランが停戦を模索しているとの報道・観測が悲観を打ち消したようだ。
エラリアン氏もイランの動向を2つ目の理由に挙げている。
ただし、重要なのは1つ目の理由だ。
市場は地政学的ショックを小さく見るよう学習してしまった。
実際それが有効だったためだ。・・・
皮肉なことに事態は良い方でなく悪い方に向かっているように思う。・・・
問題は『今回は違う』のかどうかで、私にも誰にもわからない。
エラリアン氏は、「今回は違う」点を1つ挙げている。
それは過去毎回助け舟を出してきたFRBの動向だ。
インフレへの懸念が残る中、FRBは物価と雇用のデュアルマンデートの板挟みになりうる状況にあるという。
エラリアン氏は、ハードデータ、政治(関税・財政・移民・規制緩和)、地政学的状況についての不確実性から、FRBが様子見をせざるをえないと予想する。
特に関税の物価への影響は、駆け込み輸入による在庫が消化される夏まで予見が難しいと指摘している。