オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏は、米市場が現在バブルの初期段階にあるとの推測を語った。
「株式は、私がファンダメンタルズと呼んでいるものと比べ割高に見える。
主たる理由は、過去16年間深刻な市場調整がなかったことだろう。
みんな、市場の調整について考える習慣を失っている。」
マークス氏がBloombergで、米市場の上昇トレンドについて原因を解説した。
同氏は、将来を予想するのに安易に近年からの外挿を用いるべきではないとし、むしろ中央回帰の可能性が高いと指摘している。
それでも外挿により上昇が続く点について、「投資家は本質的に楽観的」「楽観はダイ・ハード(しぶとい)」と解説し、市場心理の振り子が極端に振れつつあると示唆した。
この継続がバブルを生む。
おそらく今はその初期段階だ。
先日のMemoのとおり、マークス氏は市場がまだ上昇を続ける可能性があると見ている。
1990年代後半アラン・グリーンスパンFRB議長(当時)が「根拠なき熱狂」と警告したにもかかわらず、株価が2000年までさらに数年上昇が続いた点に言及している。
今回も上昇の可能性を認めつつ警戒を怠るべきでないと諭す。
「要は、割高ということ。
もっと高くまで上げ続けるかもしれないが、割高であるという事実を見落としてはいけない。」
マークス氏は、最近の米国の政策により米市場の優位性が低下している点を嘆いてきたが、それでも米市場が世界で最も好ましい投資先との考えを示してきた。
その一方で「割高であるという事実」から、適度の地域的分散が有効であると話している。
「米国は、高価で素晴らしい車のようなもの。
世界には米国ほど素晴らしくはないものの、もっと安い車がある。
素晴しくはないが安いもの、よりよいが割高なもの、どっちを好むかという話だ。」