アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、短期金利が下がっても超長期金利が下がらない状況を指摘し、財政従属の時代の到来を予想している。
「米国だけでなく世界中でイールドカーブの長期側で起こってきたことに注目している。」
エラリアン氏がCNBCで、世界の超長期金利の動向についてコメントした。
近年、日本や英国で数十年来となる水準への金利上昇が見られたことを念頭に置いたもの。
もちろん米国も例外ではない。
エラリアン氏は、金曜日のジャクソンホール会議でのジェローム・パウエルFRB議長講演以降、短期側の金利が低下したにもかかわらず、長期側の低下が小さかった点を指摘した。
以前なら短期に引きずられて30年金利も下がるのに、今回は講演前と比べ1-2 bpしか動いていないためだ。
長期側が認識しているのは財政従属の考えだ:
大きな財政赤字、大きな(政府)債務の時代に突入し、現在の金融政策が経済の他の部分によって影響を受けるようになるということだ。
これが長期側で起こっていることであり、120 bpという2年30年スプレッドを説明している。
PIMCO時代の相棒、ビル・グロス氏もパウエル議長講演後、米長期金利の高止まりを予想している。
エラリアン氏は、日英の金利で何か混乱があった場合、米国にも混乱が波及するかと尋ねられている。
同氏の答は、むしろ逆方向の波及の方が大きくなるというものだった。
「米国での大きな混乱は諸外国(の長期側の金利)を引き上げる。・・・
米30年債利回りが上昇すれば、外国の同利回りはほぼ1対1で上昇する。
英国なら1超だ。
でも、世界が1上昇した場合、米国では1/2未満しか上がらない。」