ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏は、あっさりタリフマン・ショックによる下げを消した米国株について、市場の楽観を指摘した。
株式市場は、わが社が予想する最良の結果を織り込んでいる。
コスティン氏がCNBCで6日、米国株市場の割高感を指摘した。
ポイントは2つ:
- 予想PER: 21倍と歴史的にも高水準
- 景気後退確率: 同社は12か月以内の景気後退入りを45%と予想(コスティン氏は「半々」と言っている)
コスティン氏は先行きを2つのシナリオに分けてわかりやすく解説している:
- 楽観シナリオ: 景気後退なし。利益は低下~3%成長。PERがわずかに低下。今後12か月での上昇余地は小さい。
- 景気後退シナリオ: S&P 500目標4,500。
これを予想確率で加重平均を取ると5,000前後だとコスティン氏は指摘する。
これに対し、5日終値5,650.38は楽観シナリオに寄りすぎているとの示唆だ。
同氏は、市場が見込む経済成長率がゴールドマンのメインシナリオより1%高いところにあると分析した。
コスティン氏は経済指標の「遅れ」についても解説した。
あるイベントに対し、ソフトデータは30-60日遅れて反映するが、ハードデータが反映するまでには60-90日かかるという。
「これが意味するのは、6月/7月に入ると、弱いデータが続々と出て来るということ。・・・
何か貿易交渉で成果があれば景気後退を回避できるが、現在の株価はそれを織り込んでいる。・・・
潜在的な景気後退のリスクを株価は織り込んでいない。」
コスティン氏は、最近マグニフィセント7が回復したものの、まだ年初来で他493銘柄の方がアウトパフォームしていると指摘。
Mag7の膨張する投資計画への警戒感が高まっていると解説した。
引き続き株価指数について、加重平均指数より単純平均指数を推奨した。