バブルの研究家としても有名なGMO共同創業者ジェレミー・グランサム氏が、バブル時の思い出について語っている。
「悲しいことに、保有する資産の価格が倍になれば、それ以降の保有によるリターン(率)は半分になるというのが鉄則だ。・・・
史上最高のリターンとなるなら、その先には史上最低のリターンが待っている。」
グランサム氏がBloombergで、簡単な算数を語った。
必ず「史上最低」になるとは限らないだろうが、常識的なバランス感覚だろう。
そして、この前提となっているのは、同氏の現在の市場に対する見方にある。
「現在は明らかなバブルだ。・・・
すべてのバブルは、本当に重要なものとともにやって来るものだ。」
グランサム氏は、過去の大きなイノベーションの例として鉄道とインターネットを挙げている。
実際にすばらしいイノベーションだったから、皆が魅了され、疑問を持たなかった。
それでもバブルは弾けたのだ。
同氏は、AIバブルの行く末を想像している。
「NVIDIAがまず落ちて、他がしばらく追随することになるのではないか。
そして、灰の中から再び何社かが表れ、死に絶えた者たちの地を受け継ぐのだろう。」
グランサム氏は、ITバブル当時に米証券アナリスト協会の年次総会で機関投資家の前で討論を行った時の経験を紹介している。
同氏は400人の聴衆に向かって2つの質問をしたという。
「もしも現在31倍のPERが17倍(訳注:おそらく長期平均の数字)まで下がるなら、確実に大きな弱気相場になるだろうか?」
「実際に下がると思う人は何人いる?」
1問目の答は、聴衆全員がYesだったという。
つまり、31倍が17倍になれば、大きな弱気相場が避けれないとの考えだ。
問題は2問目だった。
「私はショックを受け、3度も言い直して尋ね直さねばならなかった。
17倍まで下がらないとした人は400人のうちたった2人しかいなかった。」
トップ投資銀行をはじめとするプロは、タイミングはどうあれ弱気相場の到来を確信していたのだ。
グランサム氏はここから明らかな事実を学んだという。
「バブルの中で弱気になるのはビジネスの戦略にはならない。
強気でないといけない。
自分が思うより1-2年長く強気相場が続くことによるキャリア・リスクを取るわけにはいかない。」
業界に身を置いた者なら皆知っているとおり、強気相場で弱気な言動を取れば、職を失うリスクにさらされることになる。
これは、対象こそ違えど、証券業に限ったことではあるまい。
グランサム氏は、相場についてキャリア・リスクを負っていない個人投資家はとても有利な立場にあると話す。
自分の本当の予想を曲げる必要がないからだ。
グランサム氏は、米国株市場が高値を追うごとに、外国株、とりわけ外国のバリュー株に目を向けるよう奨めてきた。
昨年外国株は米国株をアウトパフォームし、割安ではなくなったものの、それでも「合理的な価格、または、ほどほどのプレミアムが狙える」という。
「問題は、例えば45%上昇したとして、あとどれくらい上がったら利益確定すべきなのかだ。
あと20%ぐらい上がったら、ポジションを減らし始めたい。
でも、しばらくはかなりよい状況が続くだろう。」
