オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、投資において重要なこと、自身の投資家としての欠点について語っている。
「私は記者に言ったんだ:
『このレストランで食事するのは、オークツリーに投資するようなものだ。
いつも良好、時々すばらしく、決して悲惨じゃない。』」
マークス氏が韓国Global Money Talkのインタビューで、お気に入りのイタリアン・レストランでFTの取材を受けた時のことを語った。
いつもすばらしい結果を求めてはいても、現実にそれを実現するのは不可能だ。
その上で成功するには、いつも良好以上を保ち、失敗をしないこと。
マークス氏は、そのために必要なのがリスク管理だという。
マークス氏は以前から、チャールズ・エリス著『敗者のゲーム』を引きつつ失敗しないことの重要性を説いている。
ディストレスト投資の草分けとして成功したマークス氏にとってリスク管理を重視するのは当然のことだろう。
その一方で、投資家としての自分の資質について次のようにも語っている。
「投資家であるためには楽観的でなければならない。
私の投資家としての最大の欠点は、私が十分楽観的でなかったことだ。」
マークス氏はこの性質について、大恐慌を経験した両親の影響だという。
確かに日本でも1980年代終わりのバブルを経験した世代やその子らは投資に対して保守的な傾向があった。
株価がバブルの高値を超えるのに35年かかったのにも同様の要因があるのかもしれない。
楽観を取り戻すための忘却には数世代が必要になることもあるのだろう。
そういえば、マークス氏の息子さんは父親とは異なりグロース投資家をやっている。
マークス氏は長期投資の重要性を説く。
「長い目で見れば、経済は成長し、企業は収益性を増し、投資の保有は報われる。・・・
つまり、本当の結論とは、投資したらあまり賢くならず、出入りを繰り返さないことだ。」
こう話しながらも、得意のリスク管理についても忘れてはいない。
でも同時に分散することだ。
私たちは、私たちの知見の優位性を生かすよう集中投資しており、よく知らないことから防御するために分散している。
