チューダー・ジョーンズ氏は、プロレスにおけるケーフェイ(演出・演技)というスラングを使って、近視眼的な解釈では現実を理解できないと示唆している。
「イタリア・フランス・日本は米国より悪い財政状況が予想されているが、今のところ大丈夫に見える。
だから、米国はプロレスで言うケーフェイ、現実を一時忘れることを続けており、そうしたがっているが、それは現実ではない。」
チューダー・ジョーンズ氏は、財政赤字4%を常態化させた第1次トランプ政権、6%を常態化させつつある第2次政権を批判し、トランプ大統領の「大きな美しい法案」を「大きな悲惨な法案」と揶揄している。
同氏は1年前、債券市場がトランプ氏の財政政策に持ちこたえられないだろうと考えていたという。
しかし、現実には今もケーフェイが続いている。
ケーフェイが続く中、チューダー・ジョーンズ氏の投資スタンスも短期・長期で異なっている。
長期では、過去の先例のようにイールドカーブがスティープ化すると予想する。
FRBが利下げする一方で、財政インフレが長期側を持ち上げるからだ。
同氏は、ドル安が進むと予想した他、ポートフォリオの組み方に言及した。
過去うまく行ったのは株式の組み合わせだが、今はすばらしくはない。
問題が表面化し、債券市場が事故を起こし、他へ波及すれば、株式は悲惨な状況になるだろう。
インフレと戦うポートフォリオとしては、ボラティリティで調整したビットコイン、金、株式の組み合わせが最良だろう。
一方、ケーフェイが続く短期ではトーンが異なる。
「株式について判断しなければならないなら、今後12か月で金利は3%まで下がると予想するので、たぶん買い持ちにするだろう。」
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