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【短信】アニマル・スピリットが生み出すショートのチャンス:ジム・チャノス

ジム・チャノス氏が、あるビットコイン保有企業に関連して、身の危険を感じた経験を語っている。

チャノス氏がBloombergの公開ポッドキャストで最初に尋ねられた質問はこうだった:

「ビットコイン保有企業は、あなたが人生で目にした最も愚かな物事ですか?」

聴衆から笑いが起こり、チャノス氏が答えた:

「前回のあなたとのポッドキャストで、私はビットコイン保有企業についていくらか言い過ぎたらしく、その後、個人のセキュリティーを強化しなければいけなかったんだ。」

ここで言及されたビットコイン保有企業とは、ストラテジー社(旧名 マイクロストラテジー)のように莫大なビットコイン等を保有することを戦略として掲げた企業群だ。
チャノス氏は、ストラテジー株について時価純資産をはるかに超える株価が付いているとして、ストラテジー株をショート、ビットコインをロングするヘッジポジションを組んでいる。
先月には同社創業者兼会長のマイケル・セイラー氏と論争を繰り広げ、チャノス氏は同氏の理論を「金融における意味不明」とこき下ろした。

聴衆の笑いからわかるように、金融知識のある人にはストラテジー社のストラテジーはあまりにも稚拙なフィクションに聞こえている。
それでも、この論争後も同社を模倣する企業は増え、チャノス氏によれば国内100社、世界で200社にも及ぶのだと言う。

すでに米国ではビットコインETFが売買されている。
当然ながら、そうした銘柄の価格はほぼビットコイン価格に連動している。
仮にストラテジー社の時価純資産と株式時価総額のバランスが取れているならほとんど注目されないのだろうが、現実に株式時価総額の方がはるかに上回っているから裁定取引の可能性が出てくる。
キャスターの質問と聴衆の笑いからは、多くの人がこのアンバランスをとても奇妙なことと認識していることがうかがわれる。
では、それでもなぜビットコイン保有企業の株が買われるのか?キャスターが尋ねている。

(次ページ: ビットコイン保有企業の株が買われる理由)


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