ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏がFOMC後いつものように政策の解説・予想のアップデートを行っている。
「パウエルFRB議長を責めることはできない。
現状は海図のない海域だ。」
ガンドラック氏がCNBCで、金融政策を据え置いた6-7日のFOMCについてコメントした。
以下、注目の発言。
- 失業率の上昇、2年10年スプレッドの再逆転から景気後退が心配。
- 経済が悪くなっても(通例と異なり政府利払い費の増大から)長期金利は上昇するだろう。
- 長期金利情報なら(1940年代から50年代初めや日本のように)イールドカーブ・コントロールがとても長期間実施されるかも。
- 債券では流動性・信用・短めが求められ、ジャンクはスプレッド拡大。
- FRBは年内、流動性の問題を理由に利下げを行うだろうが、市場予想より少なくなる(従来のガンドラック氏予想は2回)。
- 米国例外主義に基づくトレードとは単なるモメンタム・トレードに過ぎない。過去18年で25兆ドルの流入。これが関税で欧州・韓国等に巻き戻しうる。
- 経済が悪くなる場合、ドル安を予想。いつものようにドル高・債券利回り低下とはならない。
- 米国株の相対的割高感はニフティフィフティやドットコム・バブルを抜いて最高。米国向け投資を減らし、欧州やインド(長期)等への分散を。
- S&P 500は4月に言った4,500か少し上の4,600がサポートに。そうなればもう少し長期的な投資を始めたい。(ダブルラインの通常の投資ホライズンは1.5-2年)
- 次の市場の重大問題は流動性。大学寄付基金などがプラベート市場(株式・クレジット)から逃げ出すのでは。低格付け商品にストレスが高まる。
- それを買って一般投資家に売ろうとする動きが出てくるなら要注意。流動性を要する商品に流動性のない投資が組み込まれる。
ガンドラック氏は今後のリスクに身構えつつ、金価格上昇の意味を解説した。
私は現在の市場を中期的に見てリスクオフの市場だと感じている。・・・
(金価格上昇が示すのは)金がもはや短期トレーダーのための投機の対象やサバイバリストのための長期保有対象ではないということ。
みんな関税ほかの地政学的恐怖・混乱から退避する資産クラスとして見ている。
・・・4月に言ったとおり、まだ金が4,000ドルを超えると考えている。
概してガンドラック氏の大きな絵は変化していない様子。
同氏の予想する大きな変化に対して、政権の政策(目的ではなくやり方)が触媒・予想の証拠となってきている印象だ。