(1)米金利に続いて、日本の金利を概観する。(23日 浜町SCI)
(最初に断っておくが、日本の物価連動債利回りには様々なバイアスがかかっている。
中でも、かつて日本がディスインフレ的だった時代は、フロアの効果が大きく効いていたため、これを実質金利と呼ぶのには無理があった。
ただ、ある程度長い期間で見たり、絶対値でなく変化を見るならば、なにがしかの意味があるかもしれない。)
名目金利
日銀の金融政策正常化の努力により、日本の金利水準は久しぶりの高水準に。
もう少しで、サブプライム/リーマン危機前やドットコム・バブル時に近づく。
日本国債の流通利回り
これまで金利を上げる/上がるとバブルが弾けるようなところがあった。
今回はどうだろう。
物価連動債利回り
推計値のバイアスの問題があるのでなんとも言えないが、2点留意しておきたい点がある。
1つ目は、長期ゾーンの物価連動債利回りが水面上をうかがうところまで上昇してきた点。
日本における実質ベースのマイナス金利が解消する兆しなのかもしれない。
もう1つは、5年のところが上がってきていないように見える点。
これがバイアスに関するものか、本質的なものか、要注意だ。
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