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【輪郭】未解決の問題:国際分散投資は必要か?
2020年2月22日

前回はバフェット指標の限界について解説したが、今回は、そこからいつも思い出す国際分散投資に関する疑問を紹介しよう。(浜町SCI)


バフェット指標の限界とは、GDPが国内の数字なのに株価が国際化された収益に関連する数字である点だった。
これと同じ構図が実は国際分散投資にもあてはまるのだ。

何で投資家は海外資産に投資しようとするのだろう。
例えば、最近では米国株投資が人気なのだという。
でも、断言できる。
並みの日本の投資家が海千山千のつわものがひしめく米市場で互角の戦いができるとは考えない方がいい。
おそらく負け組になる
それでも多くの日本の投資家が米市場に参戦しようとしている。

まだ、負けない可能性がある日本市場にとどまるべきではないか。
なぜなら、日本株もその収益源まで遡れば海外のウェイトが小さくないものがあるからだ。
海外比率が大きな銘柄を選択することで、海外投資と同様の効果を得ることはできないのか。
逆に言えば、輸出産業の銘柄を好む投資家は少なくない。
そうした投資家は、それ以上海外投資をする必要があるのだろうか。
円という通貨がいやならば、FXで為替オーバーレイすればいいだけではないか。

筆者はこの疑問について定かな答を持っていない。
ただ、反論がいくつもありうるのは承知している。
たとえば、かなり長い期間でみて負け組でも儲かる市場が海外に存在する場合だ。
これまでの米国株市場がそれだ。
仮にある投資家が米国株市場で負け組であっても、日本株に投資するよりはるかに良好なリターンを上げることは可能だったろう。
(ただし、これはもっと長い目で見れば、一種のフリー・ランチかもしれない。)

あるいは、調達サイドが異なるという指摘もあるかもしれない。
国際化した企業の資産サイドは国際化されているが、調達サイドは国内依存の場合がある。
これが投資リターンに不利に働く場合がありうるのかもしれない。
(弱気な投資家心理によって株価が上がりにくいなど。)

日本の投資家がイールド・ハンティングのために競争優位のない市場に打って出ているように思えてならない。
羊のような小金持ちが、オオカミの群れの中に躍り出て、血で血を洗う戦いを挑んでいる。
そういう心配が頭から離れないのだ。




山田泰史山田 泰史 横浜銀行、クレディスイスファーストボストン、みずほ証券、投資ファンド、電機メーカーを経て浜町SCI調査部所属。東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修了 理学修士、ミシガン大学修士課程修了 MBA、公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

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