ガンドラック:イールド・カーブは逆転しないかも

新債券王ことDoubleline CapitalのJeffrey Gundlach氏が、債券市場と金利について語った。
米イールド・カーブがフラット化・逆ざや化しなくても、米経済は景気後退に向かう可能性があるという。


今回はイールド・カーブは逆転しないかもしれない。
しかし、間違いなくイールド・カーブは不況を警戒し始めるよう告げている。

ガンドラック氏がCNBCインタビューで米イールド・カーブについて語っている。
米イールド・カーブはフラットになりつつある。
2年10年スプレッドは一時50ベーシスを割り込み、不況を告げるフラット化・逆ざや化が心配されている。
ガンドラック氏によれば、同スプレッドが50を割り込んだ場合、概していつかイールド・カーブはフラット化するものなのだという。
50ベーシスまで行って逆にスティープ化に後戻りする例はかなり稀なのだ。
にもかかわらず、ガンドラック氏は今回フラット化・逆ざや化が起こらない可能性を指摘している。

それは、内外の金融政策などによってこれまであまりにも債券市場が操作されてきたためだ。
このため、例外的な現象が起こる可能性があるというのだ。
ガンドラック氏は、超低金利が居座る日本の市場について言及している。

「日本はイールド・カーブを逆ざやにすることなく連続的な不況を経験している。」

ガンドラック氏は、こうした現象が日本の低金利と関係するものだと考えている。

「10年債利回りが8%で、2年債が8.5%だった時、なぜそれでもみんなが10年債を買うかは理解できる。
8%の利回りは投資の需要にこたえるものだからだ。
しかし、10年が少し前の2.75%で、2年が2.25%に下がったとしても、金利リスクをとってまで50ベーシスをとりたいとは思わない。」


投資家はあまりにも低い金利で10年間の投資を固定しようとは思わないのだ。

仮にイールド・カーブが逆ざや化しなくても、喜んでいいという話ではない。
それでもやはり不況は到来しうるとガンドラック氏は言っている。
ビル・グロス氏は、リーマン危機後の世界を「異常な金融政策の時代」と呼び、高まったレバレッジのために、イールド・カーブが平坦でなくとも経済に悪影響が及ぶと予想している。

ガンドラック氏は長期金利の重要な節目として、従前どおり、10年3%、30年3.22%を挙げた。
一時2.99%まで迫った10年金利(=債券価格下落)について、債券市場への逆風が重なっていると指摘する。

「『価格を吊り上げるのには買う必要があるが、価格は自重で下がってしまう』という古い諺を思い出した。
この18か月言い続けているように、現状の債券の供給と財政赤字に関係していると思う。
今ついにそれが起こっており、米国は月におよそ1,000億ドルも借りている。」

赤字財政を賄うために莫大な米国債が市場に供給されている一方、FRBは量的引き締めを進めている。
ガンドラック氏は、FRBが「かつての保守的モード」に戻ってしまったと心配している。
前回の引き締めサイクルではFOMCごとに利上げをしていたと回想した。

「今、彼らは四半期に1回(利上げを)やっているが、何か悪いことが起こるまで続けそうに見える。
それと同時に量的引き締めを強化している点を忘れてはいけない。」

この両面からの引き締めが、市場に不安感を与えているとガンドラック氏はいう。

「FRBが『データが改善したら利上げする』モードから『データが悪化しない限り利上げする』モードに変わったと心配している。
FRBはセミ・オートパイロット・モードに入ったが、そのやり方は過去問題を引き起こしてきた。」


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