デニス・ガートマン:強い時に売り弱い時に買うな

デニス・ガートマン氏が、米市場の強気相場は終わったと話した。
世界最強のETFを生み出すかもしれない同氏の予想は今回も断定的だ。


(このチャートは)大きな強気相場が終わったことを示していると考えている。

ガートマン氏はBloombergで、米2年債利回りがS&P 500配当利回りを上回ったことを強気相場終焉の主因の1つに挙げている。
ファクトの部分については年初にジェフリー・ガンドラック氏が指摘していたとおりだ。

S&P 500配当利回りと米2年金利
S&P 500配当利回りと米2年金利

「2008年終わりの交差では強気相場がやってくるとの期待が高まった。
それが過去数年TINAトレードの理由の一つとなった。
みんな株式を保有せざるをえなかった。
しかし、2年債利回りが配当利回りより高くなれば選択肢が生まれる。」

ガートマン氏はTINAトレードという懐かしい言葉を用いて市場心理を説明している。
チャートの範囲で見る限り、2年金利が配当利回りを下回ること自体が米市場にとってそうあることではないようだ。
リーマン危機後の金融抑圧の過酷さを表すものだろう。
米国では今金融抑圧が解かれつつあり、債券が売られるにつれて債券投資の妙味が戻ってきている。
ガートマン氏は、これを強気相場終焉の主因の1つと考えている。

今回のこの分析に誤りはないが、配当利回りと株価の因果関係には少々注意を要する。
今回は配当利回り(の相対的魅力度)が株価に影響を及ぼしたと分析されているが、別の時点では株価変化が配当利回りに影響を及ぼした例もある。
また、そもそも配当利回りと2年金利をそのまま比較するのは厳密には理論的に正しくない。


S&P 500配当利回りと米2年金利、S&P 500指数
S&P 500配当利回りと米2年金利、S&P 500指数

ガートマン氏は金融抑圧を生んだ金融緩和とその出口を振り返っている。

「2008年から昨年9月までマネタリー・ベースは増え続けた。
今では証券の再投資をやめ、市場を支えるのをやめた。
金利は上昇し、それを促している。」

ガートマン氏はマネタリー・ベースに注目しており、その減少が株式市場の不安の1つになっていると分析する。
こうした環境で、現状のガートマン氏の米市場へのスタンスは「様子見」だ。

あまりにも売られすぎているため、あと数日は強気でいるかもしれないが、強い時には売り、弱い時には買うなだ。

ガートマン氏は、米市場の強気相場がすでに終わったと見ている。
そして弱気相場では3つのポジションをとりうると話す。
・大きくショート
・ややショート
・中立
今のところは「様子見」であり「中立」であるというが、その先の見通しは弱気だ。

「ほぼ確実にみんな市場をショートし始めるだろう。
・・・今後6か月、1年、2年では逆に株式市場は下がるだろう。」

ガートマン氏は、最近のコモディティ全般の上昇についてもコメントしている。
コモディティ上昇は世界経済の強さを反映しているが、この点への注目が十分でないと心配する。
どうやらガートマン氏は世界経済がピークアウトすると読んでいるようだ。

金融当局は、世界経済が改善する中、(金融)システムの準備預金を減らしている。
株式市場から設備投資・労働へとマネーが移っている。
これは株式市場が買われすぎているもう1つの原因だ。


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