モルガン・スタンレー

 

モルガン・スタンレー:弱気相場の前に注意すべき3つの懸念

米モルガン・スタンレーは、米市場のパーティが終わりに近づきつつあると予想した。
トランプ政権と共和党の財政政策は次の景気の谷を深くするだろうと指摘している。


この財政政策が景気サイクルをどれだけ引き延ばすかについて多く議論されているが、市場について我々は、景気サイクルの始まりよりは終わりに近いと分析している。
『米国のハッピー・アワー(夕刻のドリンク割引時間帯)』でなく『米国の朝』のように振舞う理由は少ない。

モルガン・スタンレーのレポートをMarketWatchが伝えている。
米市場ではいつ景気がピークを打つか、そしていつ株式市場がピークを打つかが最大の関心事になっている。
マーケット・タイミングが不可能と分かっていても、市場に関係している以上この議論を避けるのは難しい。
モルガン・スタンレーも果敢にこの輪に加わってきた。

今が景気サイクルの終期に近いことは(正しいか否かは別として)市場のコンセンサスになりつつある。
しかし、そこに1つの波乱要因が出てきた。
トランプ政権と共和党が講じた減税と歳出拡大だ。
通例とは異なり、好景気の中で講じられた財政刺激策である。

しかし、モルガン・スタンレーはこの異例の財政刺激策にも否定的だ。
2018年の経済成長率を0.3%上昇させると推計するものの、それ以上のプラス要因はあてにできないという。
そして、景気刺激策には必ずコストがともなう。


「財政拡大は短期的には経済成長を支えるが、景気の振幅を大きくするような挙動を増やすリスクを高めてしまう。
メリットは値段相応であり、投資家は(景気)サイクルの終わりで潜在的に市場下落が大きくなることを覚悟すべきだ。」

好景気に行われる財政刺激策が米財政を悪化させる。
結果、本当に必要な景気後退期の財政刺激策が小さくなってしまう。
山を高くしたがゆえに、次の谷は深くなるというわけだ。

モルガン・スタンレーはさらに税制改革が企業行動をも変化させうるという。
高レバレッジ企業のデレバレッジへの取り組みを遅らせる可能性があるという。
これがまた次の谷を深くしてしまう。

モルガン・スタンレーによれば、企業業績は今後年内か2019年初めにピークを打ち、バリュエーション(株価倍率)はすでにピークを打った可能性があるという。
同社は、心配が多く存在するはずなのに、市場がいいとこどりをしている点にも心配している。

「こうした心配がまだ見られないとしても、財政刺激策の『いいニュース』の多くはすでに主要市場の価格に織り込まれているように見える。」

モルガン・スタンレーは3点に注意すべきと指摘する。

  • 次の不況は単に『浅く短いもの』とならない可能性が高いこと
  • 今後数年、財政・経済の『崖』がより多く現れうること
  • すべての投資家が代わりに拠り所としているのが一時的な成長加速である可能性

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