セス・クラーマン:バリュー投資の神髄

高名なバリュー投資家、Baupost GroupのSeth Klarman氏の2007年の発言をGurufocusが紹介している。
景気サイクル終期に何を考えるべきかのヒントが語られている。


「株式市場とは、両方向の過剰反応を引き起こしうる人間のサイクルと振る舞いの物語だ。
友だちやご近所が金持ちになるのを見て傍観者が引き込まれるにつれ、Noと言う人が熱心な市場参加者にいじめられるにつれ、レバレッジ効果が早い成功を見せつけるにつれ、市場での成功が過剰を生み出していく。」

クラーマン氏が2007年10月20日、MIT投資クラブでの講演で語った言葉だ。
この頃、米株価はまだリーマン危機前の最高値圏にあった。
クラーマン氏はまさに眼前に過剰が発生するさまを見ていたのであろう。

「最後には、多分もう少し後になって逆張り投資家が参入し、後ろ向きだった人も前向きになり、最後の買い手も買いに入り、最後の投機的資金が調達され投資され、そして誰かが売ると決心するか、売りを強いられることになる。」

これが景気後退前の市場の最後のひと上げだ。
それまで対象市場に参入していなかった人まで巻き込み、市場は噴き上がる。
そして、反転する。


「レバレッジを効かせた投資家が追証を求められ、パニックした投資家が持ち株を投げ売りするにつれ、物事は急に逆回転する。
こうなると慎重なのが一番となり、損を避けることが時代の合言葉になる。」

これこそ市場下落後に襲う資産デフレ、バランスシート不況とでも言うべきものだ。
バリュー投資家はこうした景気・市場のサイクルから収益機会を見出すとクラーマン氏は話している。

(バリュー投資の)成功のまさに中心にあるのは、市場において証券のミスプライスが繰り返し発生することだ。
バリュー投資は実質的に、効率的市場仮説がしばしば誤りであるという命題を前提としている。
(私は議論の余地のない真実と信じているが)証券の価格が過小または過大となりえるなら、バリュー投資は栄える。

市場の誤りを見抜くことがバリュー投資の神髄だ。
セス氏は、その意味で「バリュー投資とは経済学と心理学の交点にあるもの」だという。
経済学はファンダメンタルズの評価のやり方を教えてくれるものであり、心理学は市場参加者の振る舞いを評価する助けになるものだ。
セス氏はこの両方を理解することが重要と説いている。
つまりは行動経済学というように聞こえる話だ。


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