バフェット:トランプは決して正しいことをしない

CNBCが、1991年にウォーレン・バフェット氏がノートルダム大学で話したトランプ流経営の誤りについて掘り起こしている。
今の時期の蒸し返しにどういう意味があったのかはわからないが、トランプとの関係が悪化するロシアの政府系メディアRTまで引用しているから面白い。


「ドナルド・トランプのどこが間違いかって?
ドナルド・トランプ最大の問題は、彼が決して正しいことをやらない点だ。
彼は基本的に不動産を高く買いすぎる・・・
彼の資産、支払った額、借金を見れば、本当の自己資金がないことがわかるはずだ。」


バフェット氏の言葉をCNBCが伝えている。
この発言は、トランプ氏のカジノがチャプター・イレブンを申請した直後のものだ。
まさに借金とバブルだのみとも言えるトランプのやり方は、ファンダメンタルズを重視するバリュー投資家とは決して相いれないのだ。

「私は酒とレバレッジで失敗する人をたくさん見てきた。
・・・ドナルド・トランプはレバレッジで失敗した。
彼は単純に自分が大金を借金できることにのぼせ上って、いくら返済できるか十分考えなかったんだ。」

この頃、バフェット氏の失敗の「L」方程式はまだ2Lだったのだ。
その後、同氏は方程式にLadyを付け加えている。

CNBCは、バフェット氏の1991年の発言がSNSで再注目されていると紹介している。
CNBCがこれを取り上げた理由がそのためかどうかはわからない。
ただ、トランプ大統領が少なくとも2Lに該当していることは間違いない。
レバレッジとレディーである。


レディーは言語同断だとしても、レバレッジが本当に失敗なのかは疑わしいところだ。
そもそも議論の出発点があまりにも違いすぎる。
バフェット氏は約束を守り、トランプ氏は守るつもりがない。

トランプ流の商売とは何事にもお店を広く広げることにある。
借金も可能なかぎり大きくすれば、主導権は債権者から債務者に移る。
やりたい放題やってうまくいかなければ、破産して借金を踏み倒せばいいのだ。
こういう人物についてバフェット氏が何かを語るとき、その言葉があまりにももったいなく響く。

「この世界でレバレッジなんてそう必要ない。
あなたが賢いなら、借金なしで大金を稼ぐことができる。
私は人生で大金を借りたことはない。
これからも決して借りない。
興味がない。」

トランプ氏のこうした発言は決して嘘ではない。
しかし、額面通りに受け止めてはいけない。
バフェット氏は、トランプ氏が及びもしないほど巨額の債務を利用してきた。
それは、保険事業において預かった保険料である。
これは銀行や債券投資家からの借金ではないが、保険加入者からの債務である。

保険業においては、保険料受け取りから保険金支払いまで長期間あるのが普通だ。
この間、優れた投資家が運用を担当すれば、その保険会社は大きな利益を得ることができる。
バフェット氏はこうしたモデルでバークシャー・ハザウェイを巨大コングロマリットに育ててきた。
このモデルをマネて、詐欺師が日本の保険会社を買収したことさえあった。
その後、その保険会社はその詐欺師とともに破綻した。
一歩間違えば危ういモデルなのだ。
それでも、このモデルはみながマネたがるモデルであり、今でもそれに取り組もうという投資会社は存在する。

さて、バークシャーの保険業を用いたモデルはすでに節目を迎えている
このモデル逆回転すると、それはそれで恐ろしいものなのだ。


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