ピーター・シフ:織り込まれていないシナリオ

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、市場のあるサプライズの可能性について話している。
それが起こると幅広い市場に「最大の変化」が起こるのだという。

「トランプ大統領は
『株式市場は短期的に痛みを味わうかもしれないが、その価値がある。
長期的な利益が得られるからだ』
と言った。」


シフ氏はポッドキャストで、中国との貿易摩擦を正当化しようとした大統領の主張を否定した。
同氏によれば、短期的な痛みは長期的に悪化していくはずという。
さらに、トランプ政権の減税・歳出増が米経済に危機を招き寄せているのだという。

「これは時限爆弾だ。
債務は増え続けている。
毎日毎日危機に近づいている。
・・・いつか債務が内部爆発する日が近づいてくる。」

一方、トランプ大統領が言うような「短期的な痛みが長期的な利益をもたらすケース」もあるといい、リバタリアン的な提案をしている。

「もしもFRBが金利を正常化しバブルを崩壊させたら、投資家に損をさせたら、市場をリストラさせたらどうか?
それこそ長期的利益のための短期的痛みだ。
それこそ本当の自由市場の不況のあり方だ。
政府を(市場から)追い出すんだ。
中央銀行を追い出すんだ。
そして、自由市場が不均衡を直し、継続的・持続的・実現可能な回復のためのよい礎を作るんだ。」

政府・中央銀行が市場に介入すればするほど、市場には歪みが蓄積される。
これが市場や経済に危機をもたらす一因となる。
一貫したシフ氏の主張である。


シフ氏は、FRBが量的緩和の罠に落ちたと考えている。
FRBがQE3を実施した時、市場はQE1・QE2での経験から予想できていたという。
市場はまだQE3に効果があり、何の問題もないと考えていた。
しかし、もしもQE4が実施されたらどうなるかとシフ氏は問いかける。
現状、誰も予想していないばかりか、逆に量的引き締めの進展を予想している。

「通常、市場は先を見る。
市場は起こると予想することを織り込む。
実現しないと予想するなら、どうして織り込まれるんだ?
市場が驚くのは不意を突かれた時だ。
市場は予め織り込んでいないから、その時こそ最大の変化が起こる。」

FRBが市場・経済の急変に対応するためにQE4にUターンすれば、市場は不意打ちを食らう。
その時「最大の変化」が起こることになる。
量的緩和の効果が逓減したと考えられている今、プラスの変化であるとは限らない。
量的緩和の罠から抜けられないことを知って、市場に恐怖が立ち込めるかもしれない。
シフ氏は、不意打ちの場合「噂で買って事実で売る」ことも起きないという。
ただ幅広い市場で突如としてショックが走ることになる。

「投資家は噂があることも知らないか、信じていないんだ。
だから、事実が実現した時、誰もそのための体制をとっていない。
誰も準備していないんだ。
それこそ金市場の今の状況だ。
それこそ金鉱山株市場・債券市場・米国株市場の状況だ。
誰も実現すると信じていないから、これから起こることに準備していないんだ。」


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