高田創氏:日銀にOKを

みずほ総合研究所の高田創氏が、2期目を迎えた黒田総裁を待ち構える苦難を予想している。
金融政策が無理をし過ぎる前に、第3者がストップをかけることも考えた方がいいという。


「雪の世界」「超円高と資産デフレ」を後退させた点は高く評価されるべきだ。
ただし、それは幸運な追い風に支えられた面もあり、これからの5年は3つの不都合な断絶があることも念頭に置く必要がある。

高田氏が日本経済新聞のコラムで書いている。
これまで政府・日銀に配慮した言い方をしてきた印象のある高田氏だが、このコラムはやや厳しめのトーンで書かれているように感じられる。
高田氏は2期目をスタートした黒田 日銀が今後3つの向かい風を受け始めると予想している。

  1. 1期目は米国の景気拡大・金利上昇という追い風を受けていたが、今後それが逆転しうる。
    これは、景気面・為替面で向かい風になる。
  2. 1期目はアベノミクスの拡張的政策と同期していたが、2期目はどこかで新たな政策と擦り合うことを求められる。
    (為替や財政に対する考えが変わるかもしれない。)
  3. ゼロ/マイナス金利で金融機関を疲弊させた結果、副作用のもたらすよくない結果が発生する確率が高くなる。

高田氏は、誰かが日銀に「OK」を出すべきとも書いている。
日銀自身がどうしても「物価目標として過度に高い2%水準」に固執してしまうなら、外から肩を叩いて上げてもいいのではないかとの示唆である。
もっとも、金融引き締めにアレルギーのある安倍政権にそうする気配は微塵もない。
この構図が、日本経済を危うくする可能性は否定できない。


物価目標として過度に高い2%水準を掲げたがために、永遠にマイナス金利から脱することができない状況も危惧される。

政治とますます協調の度合いを高めていくなかで、白川総裁時代の白い日銀は、今ではすっかり黒に染まっている。
黒田総裁の周りを固めるのは、すべて自公が推したリフレ派・リフレ容認派だ。
ここで変化が起こるには、結局のところ政治の側の変化が必要になるのではないか。
しかも、このところの官僚の体たらくを見る限り、何か大きな変化が見えないところで起こっている可能性も否定できない。
意外と早く変化が起こる可能性があるのかもしれない。

ただし、政治の変化が金融政策に及ぼす変化をあまり過大に予想してはいけない。
今の体制が続くなら、金融緩和はアクセルを踏み込みっぱなしになるのだろう。
体制が変わるなら、それでも金融政策は大きくは変更できない。
量的緩和政策とはそういう恐ろしい政策だ。
いつアクセルを緩め始めても、もはや二度と量的緩和の罠から抜け出せない可能性も否定できない。


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